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マイケル・オーヴィッツ(Michael Ovitz)

拠点:アメリカ・ロサンゼルス
職業:テクノロジー、金融業、投資家
収集分野:近現代アート、アフリカ美術、明時代の家具

マイケル・オーヴィッツは、クリエイティブ・アーティスツ・エージェンシーの会長やウォルト・ディズニー・カンパニーの社長を歴任したエンタテインメント業界の大物だ。パブロ・ピカソやジャスパー・ジョーンズをはじめとする4000点近いコレクショは、約2600平方メートルもの広さを誇る自宅に飾られている。ペース・ギャラリーの創設者であるアルネ・グリムチャーはかつて、「マイケルのコレクションは文句なしに素晴らしい」とUS版ARTnewsに語っている。

現在ニューヨーク近代美術館(MoMA)の理事を務めるオーヴィッツは、2010年頃にアーティストのジョナス・ウッドをビバリーヒルズの自宅に招き、コミッションワークを依頼。そのときウッドが撮影したアート作品の並ぶオーヴィッツ邸の写真は、最終的にコラージュ作品《Ovitz’s Library》(2013)として完成した。絵画制作にはいつも下絵を描いていたウッドだが、そのとき初めてそのプロセスを省くことにしたという。「それが大きなブレークスルーになりました。私には、下絵を描かねばならないという強迫観念から抜け出す必要があったのです」

ウッドの作品には、アレクサンダー・カルダーのモビール、マーティン・キッペンベルガーやマーク・グロッチャンの絵画といったオーヴィッツのコレクションが描かれている。だが、オーヴィッツが所有する作品に着想を得たアーティストはウッドだけではない。ロイ・リキテンスタインは、オーヴィッツの所有するピカソの1918年の作品をもとに制作を行い、それをオーヴィッツに贈っている。リキテンスタインと親しくしていたオーヴィッツは、仕事の合間の休息にしばしばそのスタジオを訪れていたという。

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