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「金の舌」を持つミイラ13体を古代エジプトの遺跡で発見! 墓室には神々を描いた壁画も

エジプトのオクシリントス遺跡を調査していた研究チームは、壁画に彩られた墓室を発見。数十体のミイラが埋葬されており、そのうち13体には「金の舌」が付けられていた。

調査でミイラの口の中から見つかった「金の舌」。Photo: FaceBook/@Ministry of Tourism and Antiquities

バルセロナ大学と古代近東研究所が主導するエジプト・スペイン合同の考古学調査団は、エジプトのミニヤ県にあるオクシリントス遺跡で、中央ホールと3つの部屋から構成される墓室を発見したとエジプト観光・古代遺産省が発表した。アートネットが伝えた。

プトレマイオス朝時代(紀元前330年頃から紀元前30年頃)に作られたと考えられる墓室からは数十体のミイラが整然と埋葬された状態で見つかり、そのうち13体には「金の舌」が付けられていた。古代エジプト人は金を神聖な素材と信じており、死者が来世で話すことができるように金の舌を死者の口の中に入れるようになったとされる。

墓室の1つから見つかった見事な壁画。Photo: FaceBook/@Ministry of Tourism and Antiquities

墓室には、第19王朝のファラオ、ラムセス2世の治世下にオシリス神の高位聖職者を務めたウェン・ネフェルとその家族がアヌビス、オシリス、アトゥム、ホルス、トトなどの神々に供物を捧げる様子や、神々が死者の船に乗る姿を描いた壁画があり、副葬品からは様々な神を模した護符も見つかった。

副葬品の数々。Photo: FaceBook/@Ministry of Tourism and Antiquities

イギリスの考古学者によって19世紀末に発見されたオクシリンコスの遺跡は、保存に最適な気候と知名度の低さから貴重な遺物が発見されている。過去には非常に状態の良い80巻のパピルス文書が見つかっており、その内容が出版されたことでも知られている。

今回の発見について、エジプト最高古物評議会事務局長のモハメド・イスマイル・ハリード博士は、「この地域の歴史に大きな追加をもたらすもの」と評価。エジプト観光・古代遺産省は声明で、「注目に値する考古学エリアのさらなる秘密を解明するために、今後も作業を継続します」と表明した。

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