ケーキの次はスープ!《モナ・リザ》が農業システムの腐敗を訴える環境活動家のターゲットに
1月28日の午前、ルーブル美術館に収蔵されている《モナ・リザ》にスープがかけられた。健康的かつ持続性のある食料システムの権利を訴える「Riposte Alimentaire(食の反撃)」と呼ばれる環境活動団体に所属する二人の活動家が実行した。
1月28日午前、二人の活動家がルーブル美術館に収蔵されている《モナ・リザ》に向けてスープをかけた。オレンジ色をしたこのスープは、作品を保護するために取り付けられた防弾ガラスの上にまき散らされたので、作品本体への損害はなかった。
モナ・リザに向けてスープをかけた後、二人の女性活動家は防護柵をくぐり抜け、作品の横に立って手を上げて敬礼している。
「芸術と、健康的かつ持続性のある食料システムを手にする権利のどちらが大切なのか」と、活動家は問いかける。「私たちの農業システムは腐敗しています」
その後、彼女らは警備員によって連行。活動家たちがどのようにしてスープを持ち込み、美術館の警備システムをくぐり抜けたのかは明らかになっていない。
スタッフたちはさほど効果のない布のついたてで彼女らの活動を覆い隠そうとしたと、ニューヨーク・タイムズは報じている。
活動家の一人が身につけていたTシャツには、「Riposte Alimentaire(食の反撃)」と記されていた。Reposte Alimentaireは、A22 Networkとして知られる巨大な抗議団体の一部だ。この抗議団体の中には、美術館の作品に食べ物を投げつけてきた二つのグループ、エクスティンクション・リベリオンとジャスト・ストップ・オイルが含まれている。
今回の《モナ・リザ》の襲撃は、フランスの農家の人々が低賃金への抗議の一環として国中の道路を封鎖したことが背景にある。彼らはまた、より環境に配慮した欧州経済を目指す規制に反対するデモも行っている。
《モナ・リザ》は何十年もの間、破壊や汚損の対象となってきた。例えば、ケーキが塗りたくられる事件が起きたのは、ほんの2年前のことだ。1950年代に観客によって酸をかけられたことから、モナ・リザはガラスの後ろに収められている。
from ARTnews