美術館でトランプ大統領が資金調達ディナーを開催。参加費は2人で1億6000万円、キャンセル待ちも
ドナルド・トランプ大統領の就任式が1月20日に開催され、正午から宣誓式が行われる(日本時間の21日02:00から)。いよいよトランプ第2次政権が発足するが、式に先立って1月18日と1月19日にワシントンD.C.にある2つの国立美術館・博物館でトランプとJ・D・バンス次期副大統領主催による資金集めのディナーパーティが開催された。
1月20日正午から(日本時間の21日02:00)、ワシントンD.C.で宣誓式が行われ、いよいよドナルド・トランプ第2次政権が発足する。式に先立ち、会場近くの国立美術館である国立建築博物館とナショナル・ギャラリー・オブ・アートでは、トランプ次期大統領とJ・D・バンス副大統領が主催する資金集めのディナーパーティが開催された。
18日は、ナショナル・ギャラリー・オブ・アートでJ・D・バンス次期副大統領主催のブラックタイ・パーティ、19日には国立建築博物館でトランプ次期大統領とメラニア夫人のための「キャンドルライト・ディナー」が行われた。
寄付額は100万ドル(約1億6000万円)、50万ドル(約7800万円)、25万ドル(約3900万円)、10万ドル(約1600万円)、5万ドル(約780万円)の5段階あり、トランプ大統領のキャンドルライト・ディナーは50万ドル。バンス副大統領のディナーにも出席するとなると、2人で100万ドル規模の寄付が必要だったという。
これは、2017年の第1次トランプ政権の2倍だ。当時は50万ドルの寄付で2つのディナーに参加出来た上に、100万ドルの寄付者には「閣僚任命権者と上下院指導部の特別ゲストを招いたエクスクルーシブなイベント」と銘打たれた「指導者昼食会」のチケット4枚が贈られた。今回はイベント開催の日程が短縮されたため、そのようなイベントは設けられなかったが、100万ドルを寄付、または200万ドル(3億1000万円)を集めた人は宣誓式に加え、2つのディナーパーティを含む6枚のチケットを受け取ることができたという。実際、トランプ新大統領に会いたいという声は非常に多く、ニューヨーク・タイムズ紙によると、パーティは定員に達し、100万ドル以上を寄付した人々がキャンセル待ちをしていたと報じている。
これらのチケット販売で、トランプは第1次の1億700万ドル(現在の為替で約167億円)を上回るペースで資金集めに成功している。関係者によると、今回はおよそ2億ドル(約311億円)を集める見込みだという。委員会はむしろ資金過剰になる可能性が高く、余剰資金は将来予定している大統領記念図書館の建設費用に充てられる見通しだ。
トランプが主催するパーティ会場に国立の施設が使用されることについて、ナショナル・ギャラリー・オブ・アートの広報担当者はHyperallergicの取材に対し、「大統領就任委員会の要請により、会場として貸し出しました。プライベートなイベントの会場使用は通常許可していませんが、政府からの公式な要請には例外を設けています」と答え、「これは政治的な支持表明ではありません。アメリカの独立機関であるナショナル・ギャラリーが大統領就任にまつわる会場となることは、単に、当館が国家の文化および市民機関としての役割を果たしていることを反映しているだけです」と付け加えた。同館では、1993年にビル・クリントン大統領の就任式イベントを開催したことがあるという。
一方、20日の大統領就任式に合わせて、ワシントンのナショナル・ポートレート・ギャラリーではトランプ大統領の写真展を開催している(2月11日まで)。(翻訳:編集部)
from ARTnews