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マクロン大統領の肝入り! オルセー美術館とオランジュリー美術館の新館長が決定

2024年2月から館長職が不在だったパリオルセー美術館オランジュリー美術館の新館長が決定した。6人の候補から選ばれたのは、セネガル・ダカール生まれのベテランキュレーターだ。

パリのオルセー美術館(2024年4月7日撮影)。Photo: Daniel Dorko/Hans Lucas/AFP Via Getty Images

オルセー美術館オランジュリー美術館は、2024年2月に前館長で美術史家のクリストフ・レリボーが退任し、オルセー美術館事務総長のピエール=エマニュエル・ルセルフが2館の臨時館長を務めていた。レリポーはその後、ヴェルサイユ宮殿の館長に就任している。

この度新館長に任命されたのは、シルヴァン・アミック。セネガル・ダカール生まれの56歳で、小学校の教師を経て1997年にアート・キュレーションの道に転向した。2000年代初頭にフランス南部のファーブル美術館の文化遺産担当学芸員を務め、2022年までルーアン美術館の館長として勤務。ロマン主義や印象派をテーマにしたものをはじめ、数多くの展覧会を企画した。また、観覧者に見たい収蔵作品を投票してもらい、常設展に反映させる「訪問者の部屋」を設置するなど、誰にも等しく開かれた美術館づくりに貢献した。同年にリマ・アブドゥル・マラク内閣の美術館・美術工芸顧問に就任し、芸術と工芸の国家戦略、略奪された財産と遺骨の返還に関する法律の整備や、エマニュエル・マクロン大統領によるプレス・カートゥーンセンターの計画を含む多くの記念事業をリードしてきた。

フランスのル・フィガロ紙によれば、エマニュエル・マクロン大統領は先週、6人の候補者による最終面接を行い、最終的にアミックを選んだという。

フランスのラチダ・ダティ文化相は報道発表の中で、アミックが他の候補者と一線を画している理由として、「彼のプロジェクトの卓越性、領土文化政策への配慮、ルーアン美術館長時代の目覚ましい成功、そして誰もが認める革新的な精神」を挙げた。そして、「私は、共和国大統領とともに、彼に我が国で最も重要な文化施設のひとつの手綱を託すことを喜んでいます」とコメントした。

フランス文化省によると、2023年、オルセー美術館とオランジュリー美術館は510万人という歴史的な入場者数の記録を更新した。新館長のアミックには、オルセー美術館の受け入れ態勢を改善するための大工事と、2024年9月にヴォルテール河岸で工事が始まるダニエル・マルケッソー・リサーチセンターの開設を管理する仕事が待っている。(翻訳:編集部)

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