美術窃盗団の最後の容疑者が元旦に自首。20年にわたる犯行の被害総額はウォーホル作品を含む数十億円
20年以上にわたり、アメリカ東海岸と中西部の複数州で美術品の窃盗を繰り返してきた9人の犯行グループ最後の容疑者であり逃走中であったニコラス・ドンベックが、2024年元旦、ペンシルベニア州スクラントンの中部地区連邦検事局に自首した。残り8人はすでに出頭している。
ニコラス・ドンベックは約7カ月前から指名手配されていたが、1月1日、自ら当局に電話をかけ自首を申し出た。出頭したドンベックはその後、ラッカワナ郡刑務所に護送され、現在も拘留中。地元ニュース局、WNEPが報じた。
この窃盗団は20の博物館や店からスポーツの記念品や美術品、その他の貴重品を盗んでおり、うち3人は昨年、アンディ・ウォーホルとジャクソン・ポロックの作品を盗んだ容疑で検挙され有罪が確定している。また4人目の容疑者もその直後に犯行を認めている。
盗まれた作品には、2005年にエバーハート美術館から盗まれたウォーホルのスクリーンプリント《Le Grande Passion》(1984)とポロックによる鮮やかな青の絵画《Springs Winter》(1949)、2011年にニュージャージー州のリングウッド邸から盗まれたジャスパー・クロプシーの絵画《Upper Hudson》が含まれる。容疑者たちはまた、ヨギ・ベラ博物館からワールドシリーズのリング9個、国際ボクシング殿堂博物館からチャンピオンベルト6本、ゴルフと競馬のトロフィー30個以上、ティファニーのランプ、金塊40万ドル、銃器4丁など、合わせて100万ドル(約1億4500万円)以上の記念品を盗んだ容疑もかけられている。
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