クリステン・スヴェオス(Christen Sveaas)

拠点:ノルウェー・オスロ
職業:投資業(システフォス AS)
収集分野:現代アート

ノルウェーの実業家、クリステン・スヴェオスの収集癖は子どもの頃からのものだ。10歳のときに切手の収集を始め、10代になると、ヨーロッパ中のアンティークコインを買い付けては売り歩いていたという。そして現在、彼の美術品コレクションは1700点を超えている。スヴェオスが創設した投資会社システフォスASが海運、電気通信、消費者信用、不動産など幅広い分野をカバーし、約10億ドル(1460億円)の資産を有することを考えれば、そのコレクション規模は不思議ではない。

スヴェオスは、エドヴァルド・ムンク、草間彌生、キース・ヘリングなどの膨大なコレクションを「ザ・ツイスト」に収容。これは、オスロの北約80キロの広大な森林の中を流れるランセルバ川の両岸を結ぶ橋梁兼ギャラリーで、面積が1万平方メートルを超える宇宙船のようなスペースだ。ニューヨーク・タイムズ紙やブルームバーグ、英デイリー・テレグラフ紙などから「必見」と称賛されこのギャラリーは、スヴェオスが1996年に設立した彫刻公園キステフォス・ミュージアムの核になるものとして2019年に完成した。なお、彫刻公園には、アニッシュ・カプーア、トニー・クラッグ、ブランクーシなどの大物彫刻家の作品が設置されている。

コレクションに関する考え方について、スヴェオスはこう語っている、「私が学んだのは、自分の直感や心、目を信じ、人が言うことに惑わされないということです。1つか2つのギャラリーを選んで、そこから学ぶといいでしょう。若いコレクターには、見て楽しいと思えるもの、これは何だろうと考えさせるものを買ってほしいですね」

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