ウー・ティエジュン(Wu Tiejun)

拠点:中国・南京
職業:小売業、ショッピングモール(徳基グループ)
収集分野:近現代アート、戦後美術、中国古典美術、金陵(南京)美術

ウー・ティエジュンが創設した徳基グループは、中国・南京市で高級ショッピングモール、オフィスビル、徳基美術館を収容する徳基広場を開発。2023年に現地メディアが伝えたところによると、中国トップのショッピングモールにすることを目指し、少なくとも40億2500万元(約845億円)が、同プラザの拡張工事に費やされているという。

徳基広場の最上階にある徳基美術館には、徳基グループが過去数年間に購入した作品の多くが展示されている。同館のウェブサイトには、「国境、文化、歴史を超えた芸術の架け橋となり、総合的な芸術機関と文化的プラットフォームを構築する」ことが、ミッションとして掲げられている。同館はまた、東京の国立競技場などの設計で知られる隈研吾氏による分館を計画している。オープン予定は2025年、場所は「川と山が交わり、大学が集まる南京紫金山の東麓」とされている。

徳基美術館が所蔵する1万点を超えるコレクションは、中国の古代美術、金陵(南京)芸術、国内外の近現代アートという3つのセクションに展示されている。過去30年間にわたり同館は、新石器時代(紀元前4300年~紀元前2000年)から中国最後の王朝である清朝に至る長い歴史に育まれたヒスイ彫刻、陶磁器、家具、仏像などの古美術品を収集してきた。また、古くは金陵と呼ばれた南京の風景や日常を描いた中国絵画を中心とする美術品の収集にも力を入れている。

19世紀末から20世紀初頭の作品には、パブロ・ピカソ、クロード・モネ、ピエト・モンドリアン、ポール・セザンヌ、ルネ・マグリット、ジョージア・オキーフ、趙無極(ザオ・ウーキー)、常玉(サンユー)などの傑作が並ぶ。さらに現代アートでは、アンディ・ウォーホル、アンゼルム・キーファー、ジェフ・クーンズ、草間彌生、KAWS、奈良美智、ダミアン・ハースト、デヴィッド・ホックニー、ビープルなどの作品が所蔵されている。

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