白昼堂々アートフェアから盗まれた数十億円相当のダイヤモンドを回収! 情報提供者には8500万円の報奨金
2022年にオランダのマーストリヒトで開催された国際的なアートフェア、TEFAFで盗まれた宝飾品に含まれていた2つのダイヤモンドが、オランダ当局に回収された。現地報道によると、事件の容疑者には女性1人が含まれていることが明らかになったが、実行犯は依然として捕まっていない。
世界最大級のアートとアンティークのフェアであるTEFAFは、毎年オランダのマーストリヒトで開催される。2022年に起きた窃盗事件では、武器を持ち変装した数人の男が、驚く来場者を尻目に数十億円相当の宝飾品を持ち去った。TEFAFには貴重な美術品や骨董品が数多く集まるため、事件を受けてフェアのセキュリティ対策の甘さを憂慮する声が上がった。
回収された2つのダイヤモンドは同じネックレスに使われていたもので、1つはイスラエル、もう1つは香港で見つかった。以前の報道では、世界各地で宝飾品の盗みを行う国際的窃盗団、ピンクパンサーとつながりのあるバルカン地域の犯罪グループが事件に関係していると指摘されている。オランダ警察もTEFAFで窃盗を行った一味はセルビアのニシュ出身であると見ており、「容疑者は、スイスやチェコなど他のヨーロッパ諸国でも、同様の事件で指名手配されている」ことを声明で明らかにした。
ちなみに、この事件の情報提供に対しては、保険会社から50万ユーロ(直近の為替レートで約8500万円)の報奨金提供が発表されている。
TEFAFの会場で事件が起きたのは、2022年6月28日の現地時間午前11時30分頃。ソーシャルメディアに投稿されたショッキングな動画には、窃盗グループがパーテーションの支柱で警備員に殴りかかる様子が映っている。犯行後、一味は何事もなかったかのようにレストランを抜け、会場を出て行ったという。翌日、オランダ警察は窃盗に関与した疑いで男2人を拘束したが、両人とも嫌疑不十分で釈放されている。
警察当局はダイヤモンド回収に関する声明でこう述べている。
「これは捜査における重要なステップです。この事件には国際的な犯罪グループが関わっており、国際間の手続きや規則に従う必要があります。捜査に時間がかかるのはそのためです」(翻訳:石井佳子)
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