ジェフ・クーンズの妻はアーティスト! NYで初個展を開催、12点のセラミック作品を発表

ジェフ・クーンズの妻、ジャスティン・ウィーラー・クーンズが初となる個展を2月19日からニューヨークのギャラリーで開催する。

ジャスティン・ウィーラー・クーンズ。Photo: Frances Janisch

ジェフ・クーンズの妻であるジャスティン・ウィーラー・クーンズが、初めての個展を2月19日から3月29日まで、ニューヨークのギャラリー、サロン94で開催する。「Myth(神話)」と題された展覧会では、2024年から今年にかけて制作された12点のセラミック作品が展示される。

ジャスティンの作品について、サロン94の創設者ジーン・グリーンバーグ・ロハティンは、「おもちゃや型抜きクッキー、ビーズをまとった青いヴィーナスのトルソーには、抗いがたい魅力がある」と評した。

また、カリフォルニア在住の作家、ウィリアム・J・サイモンズは展覧会に寄せた文章の中で、同展の作品について、「蓄積された経験の集積の下に隠された内なるものを明らかにする旅で、個人的な考古学である」と語っている。

ジャスティンは南アフリカ出身で、90年代初めにアムステルダムの美術館でジェフ・クーンズの作品を見て衝撃を受け、彼の作品の論文を書いた。その後1995年、ニューヨークのバーでジェフと偶然出会って彼のスタジオで働く事となり、結婚へと至る。出会った当時、ジェフは前妻の元ポルノ女優でイタリアの政党「民主主義、自然、愛」の創設者であるイローナ・「チッチョリーナ」・スタラーとの離婚協議中だった。現在、ジャスティンとジェフには6人の子どもがいる。

ジャスティンは2015年にアリソン・ブロカウとともにジュエリーブランド「ガス&アル」を立ち上げた。同年、ハーパーズ・バザーでインタビューを行った際に、第6子の出産後に患った産後うつと、それを絵画制作が救った経験を明かした。彼女は当時、「生まれて初めて、自分を救わなければならないと感じました。その唯一の方法は、スタジオに戻って絵を描くことだったのです。そうすることで、自分の痕跡を残すことができた。絵を描くことは、癒しのプロセスなのです」と語っている。

そのほかの表現手段として、ジャスティンは写真を挙げた。家族との旅行中に大量の写真を撮り、コラージュするという。これについて彼女は、「私にとっての物語があり、見ることと見られること、そして自分を隠す方法について、多くのことを語っています」と説明した。だが、ハーパーズ・バザーがそれらの作品をギャラリーで展示しないのか尋ねると、ジャスティンはこう答えていた。

「それは難しいと思います。ジェフがとても大きな影を落としていますから。本当に大きな影なのです。だからこそ私はジュエリーを作ることにしました。それは創造的ではありますが、ジェフの作品とは全く異なるものです」(翻訳:編集部)

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