GWの東京・美術館巡りは「和菓子と抹茶」とともに。ミュージアムで楽しむ和スイーツ4選

美術館併設のカフェやレストランは単なる休憩の場ではなく、鑑賞体験の延長線にある「もうひとつの展示室」。今回は、ゴールデンウィークの「東京アート巡り」にぴったりな「和菓子」をセレクト。抹茶とともに、鑑賞後の高ぶりをやわらかく鎮めよう。

Photo: Yoina Sawano

2026年のゴールデンウィーク、展覧会とあわせて楽しみたいのが、美術館の併設カフェだ。そこは単なる「休憩所」にとどまらない。作品と向き合ったあとの思考や感覚を静かにほどいていくための、「もうひとつの展示室」とも言える空間だ。そんな時間に寄り添うのが、甘味とともにある一服。数あるミュージアムカフェのメニューのなかから、今回はとりわけ、鑑賞後の高ぶりをやわらかく鎮め、身体に穏やかに染み渡る「和」のスイーツに焦点を当てた。あわせてすすめたいのは、鑑賞で開かれた感覚を静かに整えてくれる抹茶。作品の記憶を反芻しながら一服を楽しむ時間まで含めて、美術館での一日を完成させよう。

歴史ある博物館でほっと一息【東京国立博物館】

抹茶と和三盆の干菓子、ひとくち煉羊(税込み880円)※メニュー変更になる場合あり。Photo: Yoina Sawano
抹茶と和三盆の干菓子、ひとくち煉羊(税込み880円)※メニュー変更になる場合あり。Photo: Yoina Sawano
ひとくち羊羹のパッケージは東京国立博物館の作品を使用。Photo: Yoina Sawano

1872年創立の東京国立博物館、通称トーハク。国宝90件、重文652件を含む約12万件のコレクションがひしめくこの場所は、もはや美と歴史の巨大迷宮だ。あちこち歩き回って足が棒になったら、「カフェ ゆりの木」へ向かおう。ここでいただけるのは、京都宇治産の抹茶を用いたこだわりのセット。お茶請けとして添えられるのは、口どけの良い和三盆と、榮太樓總本鋪の「ひとくち煉羊羹」。疲れた体に甘さが染みる羊羹は、東京国立博物館の所蔵作品にちなんだオリジナルパッケージに包まれている。ちなみに本館のミュージアムショップで同じものを購入できるので、鑑賞の思い出として持ち帰るのもおすすめだ。

東京国立博物館「カフェ ゆりの木」
営業時間:10:30~17:00(ラストオーダー16:20)
金曜および土曜日の夜間開館日は10:30~20:00(ラストオーダー19:20)
休業日:館に準ずる

名画をうつした5つの美【山種美術館】

山口蓬春《梅雨晴》がモチーフの「雨あがり」。Photo: Yoina Sawano
菱田春草《桜下美人図》がモチーフの「花のうたげ」。Photo: Yoina Sawano
松岡映丘《春光春衣》がモチーフの「桜がさね」。Photo: Yoina Sawano
速水御舟《あけぼの・春の宵》のうち後者がモチーフの「春の夜」Photo: Yoina Sawano
小林古径《白華小禽》がモチーフの「花の香り」。Photo: Yoina Sawano
「花・flower・華 2026」展オリジナル和菓子(各税込710円)。Photo: Yoina Sawano

東京・広尾に佇む山種美術館は、1966年に開館した日本初の日本画専門の美術館。その1階の「Cafe 椿」では、ガラス越しにうつろう季節の風景を眺めながら鑑賞の余韻をゆったりと味わえる。特に人気なのは、青山の老舗菓匠・菊家がその時々の展覧会の出品作品をモチーフに製作した生菓子だ。5月10日まで開催中の特別展「花・flower・華 2026 -横山大観の桜・川端龍子の牡丹・速水御舟の梅-」に際しては、柚子あんの「桜がさね」や黒糖風味の大島あんを用いた「花の香り」など、異なる風味を楽しめる5種類を展開。例えば、紫陽花を透き通る錦玉で表現した「雨あがり」は、日本画特有の輝く岩絵具の美しさをそのまま映し出したかのようにきらきら。視覚で楽しんだ色彩や質感を舌の上でふたたび味わえる贅沢な趣向だ。

山種美術館「Cafe 椿」
住所:東京都渋谷区広尾3-12-36
通常営業時間:10:30〜17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休業日:月曜日(5月4日は開館)

文豪のぼやきが聞こえるティータイム【漱石山房記念館】

もなか抹茶セット(税込1100円)。Photo: Yoina Sawano
空也の最中と上林春松本店の抹茶のセット。Photo: Yoina Sawano

夏目漱石が晩年を過ごし、「三四郎」や「こころ」を執筆したことで知られる自宅、通称「漱石山房」。いまは漱石山房記念館として一般に公開されている。その1階にある「CAFE SOSEKI」で外せないのが、「吾輩は猫である」にも登場する銀座の名店、空也の最中を味わえる「もなか抹茶セット」。空也の最中と言えば、明治時代に誕生して以来、その姿も味もほぼ変わらないロングセラーだ。香ばしく焼き上げられた焦がし皮と上品な小豆の甘みに、京都・上林春松本店の抹茶、双鶴の白の渋みが絶妙な合いの手を入れる。ひとくちかじれば、気分はすっかり明治の文豪。執筆に追われる漱石のぼやきが聞こえてきそうな空間で、歴史ある味わいをたぐる時間はたまらない。

漱石山房記念館「CAFE SOSEKI」
住所:東京都新宿区早稲田南町7
営業時間:10:00~17:30(ラストオーダー17:00)
休業日:月~水曜日(祝日は営業)

江戸の粋を見せる和なアイス【江戸東京博物館】

江戸あんみつソフトクリーム(税込900円)と、すみだ珈琲 抹茶黒糖ラテ(税込700円)。Photo: Yoina Sawano
あんみつがソフト区クリームの上にたんまり乗る。Photo: Yoina Sawano

約4年の休館を経て2026年3月にリニューアルオープンした江戸東京博物館。展示空間の刷新とともに、館内の飲食施設も一新された。1階に新設された「ippuku cafe」は、江戸の記憶を“味わう”場として機能するカジュアルカフェ。江戸あんみつソフトクリームはたっぷりなソフトの上にあんみつが乗る絢爛な一品。榮太樓總本鋪のあんのしっかりした小豆の味にアイスの濃厚な甘みが絶妙に混じりあい、三色団子に寒天、フルーツといろいろな触感が舌を楽しませてくれる。広い館内で歩き疲れたらぜひ一服しよう。

ippuku cafe
住所:東京都墨田区横網1-4-1 江戸東京博物館 1F
営業時間:10:00~17:30(土・日曜日は9:30~19:30)
定休日:館に準ずる

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