今週末に見たいアートイベントTOP5:奇才ロン・ミュエク18年ぶりの日本展、国宝《燕子花図屏風》が公開
関東地方の美術館・ギャラリーを中心に、現在開催されている展覧会の中でも特におすすめの展示をピックアップ! アートな週末を楽しもう!

1. NHK日曜美術館50年展(東京藝術大学大学美術館)
長寿美術番組が伝えた「美」を振り返る
NHK「日曜美術館」は、1976年の放送開始から2500回を超える長寿番組。放送50年を迎える今年、これまで番組に登場した「美」の魅力を伝える展覧会が開催されている。
本展では、番組を彩ってきた120点を超える名品を5つの章で紹介する。フランシス・ベーコン《スフィンクス–ミュリエル・ベルチャーの肖像》(1979)、ポール・セザンヌ《水浴》(1883–87)、アルベルト・ジャコメッティ《ヤナイハラⅠ》(1960–61)、石田徹也《飛べなくなった人》(1996)など、時代を超えた名品が揃う。あわせて、大江健三郎、松本竣介ら番組の出演者たちが紡いできた時代を超えて響く言葉を過去の放送から厳選して上映するとともに、高精細映像も組み合わせて、「美」と人を繋いできた「日曜美術館」の歴史を紹介する。会期中一部展示替えあり。
NHK日曜美術館50年展
会期:3月28日(土)〜6月21日(日)
場所:東京藝術大学大学美術館(東京都台東区上野公園12-8)
時間:10:00〜17:00(入場は30分前まで)
休館日:月曜(5月4日を除く)
2. 開館85周年記念特別展 光琳派 ―国宝「燕子花図」と尾形光琳のフォロワーたち―(根津美術館)
国宝《燕子花図屏風》が公開。「琳派」の系譜を辿る
「琳派」と呼ばれる流派は、師弟関係や血縁ではなく、俵屋宗達(生没年不詳)から尾形光琳(1658-1716)へ、光琳から酒井抱一(1761-1829)へと世代の異なる画家たちが先人への憧れによって画風を継承してきたものとして知られている。本展では、それら3人に加え、光琳の制作をサポートした渡辺始興(1683-1755)など、直接あるいは間接に連なるフォロワーたちの存在にも光を当てる。
展示では、同館所蔵の国宝《燕子花図屏風》(尾形光琳筆)をはじめ、アメリカ・クリーブランド美術館からの里帰り作品も含む多彩な作品群が並ぶ。クリーブランド美術館蔵の渡辺始興《燕子花図屏風》は、総金地に燕子花のみを描く発想は光琳画に基づきながら、近衛家煕に仕えて写生に長じた始興の個性が表れた作品だ。また、光琳の弟子である深江芦舟(1699-1757)、乾山に学び「光琳三世」とみなされた立林何叶(生没年不詳)らこれまで目にする機会が極めて稀だった作家たちの作品にも触れられる貴重な機会となっている。日時指定予約制。
開館85周年記念特別展 光琳派 ―国宝「燕子花図」と尾形光琳のフォロワーたち―
会期:4月11日(土)〜5月10日(日)
場所:根津美術館(東京都港区南青山6-5-1)
時間:10:00~17:00(5月5日~10日は19:00まで、入場は30分前まで)
休館日:月曜(5月4日を除く)
3. 生誕100年 森英恵 ヴァイタル・タイプ(国立新美術館)
今明かされる森英恵のものづくりの全貌
1977年にアジア人で初めてパリ・オートクチュール正会員となり、日本のファッションを世界へと牽引したデザイナー・森英恵(1926-2022)の没後初となる回顧展。1950年代に映画衣装の制作を通じてキャリアをスタートさせた森は、戦後の高度経済成長期において、家庭を持ちながらデザイナーとして大きな仕事を成し遂げる姿で新しい女性像の先駆けとして注目を集めた。
本展では、オートクチュールのドレスや資料、初公開となる作品を含む約400点を通じて、森のものづくりの全貌を明らかにする。中でも見どころは、日本初公開となるニューヨークのメトロポリタン美術館に収蔵されている森英恵のドレスだ。日本美術の高名なコレクターだったメアリー・グリッグス・バークが森に依頼した、自身が所有する伊藤若冲《月下白梅図》(1755)をイメージしたドレスを含む4点を通して、これまであまり紹介されてこなかったアメリカ時代の活躍にも光を当てる。
生誕100年 森英恵 ヴァイタル・タイプ
会期:4月15日(水)〜7月6日(月)
場所:国立新美術館 企画展示室1E(東京都港区六本木7-22-2)
時間:10:00〜18:00(金土は20:00まで、入場は30分前まで)
休館日:火曜(5月5日は除く)
4. 江戸東京博物館リニューアル記念特別展「大江戸礼賛」(東京都江戸東京博物館)
泰平の世に花開いた多様な文化
約4年にわたる改修を経て初となる企画展。18世紀初頭に、人口100万人を擁する大都市へと成長した江戸。人々は「花の御江戸」「大江戸」などと称して、その繁栄を謳歌した。本展では、武家の道具、相撲・歌舞伎・吉原の賑わい、流行を生んだ出版文化、頻発する火災に立ち向かった火消、趣味や学問を介した文化人たちの交遊など、江戸に暮らした武士や町人たちがこの地の何を誇り、自慢としたのかを問い直す。
展示は序章を含め6章で構成される。序章では、江戸誕生以前からこの地に対して抱かれていたイメージを伝える当館所蔵の《武蔵野図屏風》を展示。第1章では、徳川家康が慶長8年(1603)に幕府を開いて以来、江戸が武士の都として繁栄した様子を、都市景観を伝える絵画資料、実戦の武器から武家の権威を象徴する道具へと役割を変えた武具、江戸城内での生活を彩った婚礼調度などを通して紹介する。第2章では、出版文化の花開いた江戸の町人文化を多角的に取り上げる。都市「大江戸」の形成から繁栄、そして人々が育んだ文化の全貌を体感できる展覧会だ。
江戸東京博物館リニューアル記念特別展「大江戸礼賛」
会期:4月25日(土)〜5月24日(日)
場所:東京都江戸東京博物館 1階特別展示室(東京都墨田区横網1-4-1)
時間:9:30〜17:30(土曜日は19:30まで、入場30分前まで)
休館日:月曜(5月4日を除く)、5月7日
5. ロン・ミュエク(森美術館)
彫刻界の奇才、ロン・ミュエク18年振りの大規模個展
1958年オーストラリア生まれ、イギリス在住のロン・ミュエクは、映画・広告業界で20年以上働いた後、1990年代半ばに彫刻の制作を開始した。1997年、ロンドンのロイヤル・アカデミー・オブ・アーツで開催された「センセーション:サーチ・コレクションのヤング・ブリティッシュ・アーティスト」展への参加で一躍注目を集めて以来、世界各地の著名な美術館で作品を発表してきた。日本では十和田市現代美術館のコレクション《スタンディング・ウーマン》が知られている。
2023年のパリでの開催を皮切りにミラノ、ソウルを巡回した本展は、同館とカルティエ現代美術財団との共催により開催。日本では18年ぶりの大規模個展となる。初期作品から近作に至るまで作家の制作活動全体を包括的に紹介する内容で、計11点のうち6点が日本初公開だ。展示の中心は、フロアいっぱいに巨大な頭蓋骨の彫刻100点が配置されるインスタレーション《マス》(2016–2017)。また、フランスの写真家・映画監督のゴーティエ・ドゥブロンドによる、作家のスタジオと制作過程を記録した貴重な写真作品と映像作品も併せて公開され、ミュエクの比類なき彫刻がどのように生み出されるのかを明らかにする。
ロン・ミュエク
会期:4月29日(水祝)〜9月23日(水祝)
場所:森美術館(東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53F)
時間:10:00〜22:00(火曜のみ17:00まで、ただし5月5日、8月11日、9月22日は22:00まで)
休館日:なし








































