ジャパニーズウイスキー1本に1億7000万円──高級会員クラブ向け非売品がオークション記録樹立

香港のボナムズで行われたオークション「伝説のジャパニーズウイスキー」で、コレクター垂涎の的とされた1本が、約1億6900万円というジャパニーズウイスキーの史上最高落札額を樹立した。これまでのオークション記録は、2020年にボナムズ香港で落札された「山崎55年」の約1億2700万円だった(最近の為替レートで円換算)。

ボナムズ香港のオークションに出品されたジャパニーズウイスキーの最高峰の1つ「山崎50年」。Photo: MRC

5月30日に香港のボナムズで行われたオークションに、希少なジャパニーズウイスキーが2本出品された。そのうち1本は、名古屋の会員制高級クラブ「なつめ」のために特別に製造された「山崎50年」シングルモルトウイスキーで、3人の入札者による競り合いとなった。

結果、予想最高落札額のほぼ2倍にあたる825万香港ドル(最近の為替レートで約1億6900万円、以下同)で決着し、2020年にボナムズ香港で「山崎55年」が記録した620万香港ドル(約1億2700万円)を更新した。

ボナムズのワイン・スピリッツ部門グローバル責任者を務めるアマイエス・アウリは、プレスリリースで次のように述べている。

「オークションにおけるジャパニーズウイスキーの世界記録更新は、重要な節目となる出来事です。これは、ボナムズが高級ワイン・スピリッツ分野におけるオークションの未来を切り拓くという決意を象徴するものでもあります」

山崎50年は、サントリー山崎蒸留所が手がけた中で2番目に熟成期間が長く、2005年、2007年、2011年の3回リリースされた。「なつめ」の開店50周年にあわせてボトリングされた非売品には特別な和紙ラベルが貼られ、サントリーの5代目チーフブレンダー福與伸二(ふくよしんじ)のサインが入っている。

ボナムズ香港によると、本品は2000年代半ばのものものと見られ、以来ずっと個人が所有していた。最高級の国産ミズナラ樽で長期熟成されたこのウイスキーは、オリジナルの木箱に収められており、ネックチャームとオリジナルのポーチが付属している(ネックチャームには擦り傷がある)。なお、「夜の商工会議所」とも呼ばれる「なつめ」の創業は1950年代。

ボナムズのオークションに出品された山崎50年の「なつめ」限定ボトル。Photo: MRC

また、同オークションのもう1つの目玉とされた「軽井沢 1960 カスク #5627 52年熟成 トレジャーシップ」も、予想最高額320万香港ドル(約6500万円)の2倍近い625万香港ドル(約1億2800万円)で落札された。

ボナムズのプレス資料によると、同社は「現在、国際オークションにおけるジャパニーズウイスキー単一ボトルの歴代落札額上位3位を独占」している。

山崎蒸溜所は、日本初のモルトウイスキー蒸溜所として1923年に創設された。2023年にサザビーズは、同蒸溜所の製品は価値が飛躍的に高まっていると指摘。特に「山崎50年のファーストリリースは、非常に希少でコレクターズアイテムとしての価値が最高レベルにまで高まったジャパニーズウイスキー」だと評している。サザビーズによると、ファーストリリース50本のうち、現存するのはわずか12本ほどだという。(翻訳:石井佳子)

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