ポーランドの釣り人が川底から「1000年前の剣」を発見──保存状態は極めて良好
- TEXT BY ARTNEWS JAPAN
深刻な干ばつで水位が下がったポーランド西部のヴァルタ川から、中世の剣が姿を現した。発見された剣は11世紀のものとみられ、極めて良好な保存状態を保っていたという。
ポーランド全土で干ばつが深刻化するなか、西部ポズナン近郊の町ヴロンキ付近を流れるヴァルタ川の川底から、11世紀にさかのぼる中世の剣が極めて良好な保存状態で発見された。ヴロンキ地域博物館が6月9日に発表した。
History Blogによると、釣りをするためヴァルタ川を訪れた地元住民のミロスワフ・トゥホルスキは、道具を準備している際、干ばつにより水位が低下した川底に金属片が沈んでいるのを発見した。引き上げてみると、それは刃渡り約76センチ、柄の長さ約9センチの剣で、非常に良好な状態だったという。
トゥホルスキは発見した剣をヴロンキ地域博物館に届けた。同館の考古学者リシャルト・ピエツザクがデザイン様式を分析した結果、この剣は11世紀の初期中世に属する遺物と判明した。当時のポーランドは同国最初の王朝であるピャスト朝の初期にあたり、歴代君主が中欧各地で軍事的な争いを繰り広げた激動の時代だった。

この剣がなぜ川底に沈んでいたのかは、いまなお謎に包まれている。かつてこの地域に暮らした戦士の所有物だった可能性がある一方、宗教的あるいは儀礼的な目的でヴァルタ川に意図的に投じられた奉納品だった可能性もあると研究者らはみている。
ナショナル・ジオグラフィック・ポーランドによると、この発見を受け、ヴロンキのラファウ・ジムニー市長は剣の保存処理と学術調査のための資金を確保すると表明した。この遺物は今後、ポーランド北中部の都市トルンにあるニコラウス・コペルニクス大学へ送られ、修復と詳細な分析が行われる予定だ。保存作業が完了した後は、ヴロンキ地域博物館で一般公開される見通しとなっている。
今回の発見の背景には、近年ポーランドで続く深刻な干ばつがある。干ばつによる水位低下は新たな考古学的発見をもたらす一方で、何世紀にもわたり水中で安定した状態を保ってきた遺物の保存環境を脅かすという側面もある。
また、この発見は近年ポーランドの河川で相次ぐ中世武器の発見事例の一つでもある。2025年にはワルシャワのタルホミン地区付近を流れるヴィスワ川で釣り人が中世の剣を発見したほか、2024年には川底の土砂を取り除く浚渫工事中に別の剣が見つかっている。この剣については、ヴァイキング戦士または10世紀の地方貴族の所有物だった可能性が指摘されている。
川から多くの武器が発見される理由について、専門家たちは戦闘による喪失や紛失、交易路での事故、儀礼的な奉納など複数の可能性を想定している。こうした慣習は古代ヨーロッパのキリスト教化以前の文化圏で広く見られたという。

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