ARTnewsJAPAN

40度超の猛暑でアクロポリス遺跡が一時閉鎖。観測史上最も早い熱波がギリシャを襲う

6月12日、ギリシャ・アテネにあるアクロポリス遺跡が、観測史上最も早い熱波により一時閉鎖された。前日に入場待ちの列に並んでいた観光客が体調不良で倒れたため、当局が急きょ措置を取った。

2023年も猛暑に襲われたアクロポリスの丘に立つパルテノン神殿。Photo Milos Bicanski/Getty Images

観測史上最も早い熱波により、6月12日にギリシャ中部では43度を記録。13日には最高気温が44度に達すると予想されていた。ギリシャ保健省は、高齢者や基礎疾患がある人に外出を控えるよう注意を呼びかけたほか、午後12時から午後5時の間は負担の大きい屋外労働を避けるよう勧告した。なお、熱波は14日にはおさまる見込み。

これにより、アテネにあるアクロポリス遺跡が一時閉鎖された。前日に入場待ちの列に並んでいた観光客が体調不良で倒れたため、当局が急きょ措置を取ったかたちだ。

保健省の勧告に従い、12日にはギリシャ赤十字が屋外にいる人たちに飲料水のボトルや日焼け止めを配布し、アテネ市当局は冷房のある避難場所を数カ所提供した。さらに、アクロポリスだけでなく複数の観光名所や各地の小学校も午後12時から午後5時まで一時閉鎖・休校。同様の規制は昨年も行われたが、それよりもかなり時期が早まっている。

ギリシャでは昨年夏、猛暑による大規模な山火事が各地で発生し、多くの森林が消失。20人を超える死者が出たほか、ロードス島では観光客ら2万人以上が避難する事態となった。この惨事を受けて当局と軍による24時間の森林パトロールが実施されるようになり、熱波が予想された今週は監視を強めていた。

世界的な気候変動により、ギリシャのみならず各地で天候や気温の急激な変化が起きている。しかし、昨年の熱波はギリシャの観光業の一部に打撃を与えたものの、観光収入は過去最高を記録したという。(翻訳:石井佳子)

from ARTnews

あわせて読みたい