2024年秋「TODA BUILDING」がグランドオープン! アート施設が充実の「芸術文化エリア」も
現在、東京・京橋地区で進む「芸術・文化拠点」としての開発事業の一環として、「TODA BUILDING」の建設が2024年秋のグランドオープンを目指して進行中だ。同ビルの目玉は、アート施設が盛りだくさんの「芸術文化エリア」。その全貌が徐々に明らかになる中で、どのような施設が入居するのかまとめてご紹介しよう。
東京都中央区京橋は、江戸時代は職人街であり、歌川広重や北大路魯山人も居を構えた地。現在は老舗の古美術店や実力派ギャラリーが軒を連ねる、通のアートファンにはよく知られたスポットだ。
京橋2丁目にある「TODA BUILDING」(事業者:戸田建設株式会社)と隣接の「ミュージアムタワー京橋」(事業者:株式会社永坂産業、公益財団法人石橋財団)は、都市再生特別地区制度(特区)を活用し、特区テーマを「まちに開かれた、芸術・文化拠点の形成」として、2016年より、それぞれが超高層複合用途ビルを建設する大規模開発を行ってきた。ミュージアムタワー京橋が2019年7月に竣工し、その低層部にアーティゾン美術館が2020年1月に開館。続いて2024年9月にTODA BUILDINGが竣工し、同年秋に街区全体のグランドオープンを予定している。
京橋の地で120年以上にわたって社業を営む戸田建設の本社建替えに伴って生まれたTODA BUILDINGは、1階から6階までの低層部が芸術文化エリア、8階から27階までが戸田建設のオフィスと賃貸エリアとなる。芸術文化エリアの各階にはアートにまつわる様々な施設が設けられ、それらが有機的に機能することで「誰もが気軽に、芸術・文化を体感できる機会を創出」し、「新進アーティストの育成」そして「情報発信の場の創出」を実現していく。
また、「ART POWER KYOBASHI」と銘打ち、アートディレクションとデザイナーとして、大西隆介が率いるdirection Q、アドバイザーには国立工芸館館長の唐澤昌宏、クリエイティブ・ディレクターの小池一子、小山登美夫ギャラリー 代表の小山登美夫、株式会社スマイルズ 代表の遠山正道、東京大学生産技術研究所特任教授で建築家の豊田啓介が加わり、エントランスのパブリックアート・プログラムなどソフト面でのアート事業も充実させていく。近隣の京橋3丁目では、2029年の竣工予定で東京建物が「仮称アートセンター」の建設を進めており、将来的に京橋エリアが東京アートシーンの牽引役になる可能性も。
以下、現在発表されているTODA BUILDINGの芸術文化エリアのコンテンツを紹介する。
6階:マンガ、アニメなどのジャンル横断的なミュージアム
株式会社ソニー・クリエイティブプロダクツが「現代の表現者」をキーワードに掲げ、マンガ、アニメ、音楽、ゲーム、キャラクターといった多彩なジャンルを包括するミュージアムを開館。自社のみならず、新聞社やテレビ局、出版社などと協力し合い、世界に向けて発信するクリエイティブセンターとなることを目指す。
4階:大小のホールと会議室を備えた「TODA HALL & CONFERENCE TOKYO」
約509平方メートルの大ホールと、約267平方メートルの小ホールを完備。大ホールには大型搬送用エレベーターを設置しているため、展示会から講演会まで使い勝手は幅広い。また、カンファレンスゾーンには、72~108人まで収容できる全2室の会議室と控室を備えた計3室が設けられている。
3階:都内の4ギャラリーが集結するギャラリーコンプレックス
日本の現代アートシーンを代表するタカ・イシイギャラリー、小山登美夫ギャラリー、KOSAKU KANECHIKA、Yutaka Kikutake Galleryが集結し、アートのトレンドを発信する。
1階:アートも楽しめるカフェ「Gallery & Bakery Tokyo 8分」&アートショップ
ArtStickerがTHE CITY BAKERYと共同でカフェ&アートスペース「Gallery & Bakery Tokyo 8分」を開店する。店内の天井高は6メートルほどで、200平方メートルのフロアを仕切りなしに使う。利用者はまるで美術館にいるような開放的な空間でゆったり作品を見ながらくつろげ、アーティストにとっては、これまで経験してこなかった大スケールの作品展示に挑戦することが出来る。同階にはアート、デザイン、ものづくりなどのクリエイターが生み出す作品やプロダクトを鑑賞・購入できるショップも設けられる。
エントランス:新進アーティストの作品が出迎えるロビーと「アートコリドー」
オフィステナントのワーカーだけでなく一般来館者もアクセス可能な、天井高約16メートルの大きな吹き抜け空間のエントランスロビーと、吹き抜けを取り囲む回廊「アートコリドー」には、戸田建設が取り組むパブリックアート・プログラムによる新進アーティストの作品が展示される。また、隣接街区と合わせて間口約120メートルの広場「アートスクエア」は、様々なアートや地域イベントの会場として使用される。