シェリー&アーヴィング・アゾフ(Shelli and Irving Azoff)
拠点:アメリカ・ロサンゼルス
職業:エンタテインメント
収集分野:現代アート
音楽業界の大物アーヴィング・アゾフとその妻シェリー・アゾフは、ハリウッド屈指のパワーカップルと言えるだろう。チケットマスター・エンタテインメントの会長兼CEO、ライブ・ネーション・エンタテインメントのエグゼクティブチェアマン、フロントライン・マネジメントのCEOを歴任したアービングは、2018年にオリバー・チャスタンと共同でアイコニック・アーティスツ・グループを設立。リンダ・ロンシュタットやビーチボーイズといった著名アーティストの音楽資産や知的財産権の買収を行っている。また、ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、2024年にはロッド・スチュワートが、楽曲の音楽出版権と原盤権および一部の肖像権を同社に売却したという。
敏腕スポーツエージェントとして名を馳せているシェリー・アゾフは、1990年代後半にアメリカにおけるメジャーリーグサッカーの発足に貢献。その後メジャーリーグサッカーの人気は高まり、今も彼女に利益がもたらされている。2026年ワールドカップでアメリカが共催国になったことで、その利益はさらに拡大することだろう。
アゾフ夫妻は40年以上にわたる結婚生活の中で、ともに美術品を収集してきた。米ヴァニティ・フェア誌によると、2023年にフリーズ・ロサンゼルスのフランソワ・ゲバリのブースで、シェリーがセイレ・ゴメスの絵を入手したところを目撃されている。また、同じ日に他のブースでも、奈良美智とアスカ・アナスタシア・オガワの作品を購入したという
2024年2月に夫妻は、ビバリーヒルズにある約1.3ヘクタールの所有地に隣接する場所に、1100万ドル(約16億円)以上を投じて土地を購入。2022年にも自宅の隣の土地を2150万ドル(約31億円)で買い足している。夫妻のコレクションがさらに増えても、展示スペースが足りなくなることは当面ないだろう。
注:記事中の円換算額は、US版ARTnewsで2024年版トップ200コレクターズが発表された2024年10月時点の為替レートによる。