ナイル・ケティングや諏訪敦の個展も。9月開催「TENNOZ ART WEEK 2025」の注目プログラム

パシフィコ横浜で開催されるアートフェア「Tokyo Gendai」(9月12日~14日)のオフィシャルパートナーを務める寺田倉庫が、東京・天王洲で連携企画「TENNOZ ART WEEK 2025」を開催する。期間は9月11日から15日まで。その必見プログラムを紹介する。

photo AYA KAWACHI
2023年のTENNOZ ART WEEK会場風景。Photo: AYA KAWACHI

国際アートフェア「Tokyo Gendai」(9月12日~14日・パシフィコ横浜)の開催に合わせて、寺田倉庫はギャラリー、ミュージアム、画材ラボ、保税倉庫などが集まる東京・天王洲エリアで連携企画「TENNOZ ART WEEK 2025」を9月11日から15日まで開催する。期間中は気鋭の若手作家の展覧会から日本画材に触れるワークショップまで、全方位からアートを楽しめる催しが目白押しだ。その見どころを紹介しよう。

1. ナイル・ケティングが最新作を発表

1989年に神奈川県に生まれ、現在は日本と海外を行き来しながらパフォーマティブなインスタレーション作品を制作するナイル・ケティング。2020年にはパリのパレ・ド・トーキョーで展覧会を行ったほか、2024年1月には渋谷のスクランブル交差点の街頭モニターに2つのビデオプロジェクト《Optimization of yesterday (optional now +)》《Throbber》を投影している。ケティングにとって日本では約10年ぶりの大規模な作品発表となる本展では、2024年にリスボンで発表された「Blossoms」のシリーズとして、天王洲の倉庫空間に合わせて新作を展開。今日における鑑賞という行為の意味や価値の可視化といったテーマを扱いながら、「鑑賞すること」や「鑑賞者」とは何かを問いかける。

ナイル・ケティング「Blossoms – fulfilment」
会期:9月11日(木)~ 9月15日(月祝)
会場:寺田倉庫 G3-6F(東京都品川区東品川 2-6-10 寺田倉庫 G号)
時間:11:00 ~ 19:00(パフォーマンスは12:00~19:00)
料金:一般1500円、大専門学生800円、高校生以下無料。チケット予約はこちら

2. 写実絵画界を牽引する諏訪敦、約3年ぶりの個展

日本におけるリアリズム絵画のトップランナー、諏訪敦が約3年ぶりとなる大規模個展を開催。新作の静物画や肖像画を含む約80点を展示し、現在に至るまでの制作活動の変遷を多角的に紹介する。

諏訪敦|きみはうつくしい
会期:9月11日(木)~ 2026年3月1日(日)
会場:WHAT MUSEUM(品川区東品川 2-6-10 寺田倉庫 G号)
時間:11:00 ~ 18:00(入場は1時間前まで)
休館日:月曜(祝日の場合は翌平日)、年末年始
料金:一般1500円、大専門学生800円、高校生以下無料

3. 有数ギャラリーが「TERRADA ART COMPLEX」でコラボ!

国内最大級のギャラリーコンプレックス「TERRADA ART COMPLEX」では、期間中、入居ギャラリーとパートナーギャラリーによるグループ展示を開催する。国内外で活躍する作家やギャラリーが集う4日間は、現代アートの「いま」を肌で感じることができるだろう。

Tennoz Contemporary
会期:9月11日(木)~9月14日 (日)
会場:TERRADA ART COMPLEX Ⅰ(品川区東品川1-33-10)、TERRADA ART COMPLEX Ⅱ(東品川1-32-8)
時間:12:00 ~ 19:00(14日は17:00まで)

4. 15人のアーティストが提示する「自分らしさ」

若手インディペンデントキュレーターの板橋令子を迎え、若手からベテランまで約15人のアーティストによる作品を紹介する。既存の価値観が揺れる現代社会において、多様な作品群との出会いにより「自分らしさ」について再考する時間を提供する。会期中には、出展作家による体験型イベントも予定。

企画展「Seesaws」
会期:9月11日(木)~9月23日 (火)
会場:WHAT CAFE(品川区東品川2-1-11)
時間:11:00 ~ 18:00(23日は17:00まで)

5. 伝統技法×現代アート、曖昧な境界に潜む美

日本の伝統技法と現代アートを融合させる気鋭の作家、久野彩子、奈良祐希、能條雅由の3人による展覧会。金属と都市、建築と陶芸、写真と記憶といった異なる領域を横断しながら、私たちが無意識に認識している「境界」という概念に揺らぎをもたらす彼らの作品は、あらゆるものが数値化され、明確に定義されがちな社会において、はざまに潜む「曖昧さ(Blurred)」の美しさに気付かせる。

企画展「Blurred:交錯する境界」
会期:9月11日(木)~9月28日 (日)
会場:BONDED GALLERY(品川区東品川1-32-8 TERRADA ART COMPLEX Ⅱ 4F)
時間:12:00 ~ 19:00

6. 憧れの「絵絹」に挑戦!

日本の伝統的な顔料や画材の豊富な品ぞろえを誇るPIGMENT TOKYOでは、東洋美術で古来より用いられてきた「絵絹」に花を描くワークショップを開催。透けるほど薄い絵絹を使い、裏彩色や柔らかなグラデーションの表現に挑戦する。定員あり。先着順予約制。

ワークショップ「絵絹に花をえがく」
会期:9月13日(土)~9月15日 (月)
会場:PIGMENT TOKYO(東京都品川区東品川2-5-5 TERRADA Harbor Oneビル1F)
時間:13:00 ~ 16:00
料金:1万3200円(税込)


TENNOZ ART WEEK 2025
会期:9月11日(木)~9月15日(月祝)

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