大エジプト博物館がついに開館! ツタンカーメン王墓の「完全再現」も
たび重なる開館延期を経て、大エジプト博物館が11月1日にすべての展示施設を一般公開した。これまで未公開だった遺物の数々や、ギザのピラミッドを望む大階段など、見どころ満載だ。
大エジプト博物館(The Grand Egyptian Museum)は、1992年の建設計画発表から30年以上を経て、11月1日にようやく全館オープンを迎えた。2002年に始まった建設工事は度重なる延期を経て、2024年10月に主要展示室の試験公開を実施。それから1年が経ったいま、総面積9万平 方メートルにおよぶ施設の全貌がついにお披露目となった。
新たに開館した博物館で最も注目すべき展示室のひとつは、ツタンカーメン王の墓を再現した広さおよそ7400平方メートルに及ぶ展示室だろう。この展示室にはツタンカーメン王の墓から出土した5600点の副葬品が並び、祠堂や棺、玉座、戦車をはじめとする半数以上の遺物は初めて一般公開される。展示の狙いについて、国際エジプト学者協会会長のタレク・タウフィクはBBCの取材にこう語っている。
「ツタンカーメン王の墓を完全に再現した展示を実現させようという考えがかねてからありました。つまり、発見された副葬品を余すことなく一般公開し、収蔵庫や他の施設に散らばっていた遺物を一つの場所に集約するということです。これによって、100年以上前にツタンカーメン王の墓を発見したハワード・カーターのように、ツタンカーメン王の墓の全貌を体験できると思ったんです」
そのほかにも、高さ約3.4メートルのラムセス2世像を展示する吹き抜けのホールや、王朝期の彫像や遺物を配した大階段など、見応えのある空間が続く。大階段を上ると、ギザのピラミッドを一望できる構造になっている。詳しい展示の様子は、以下のギャラリーをご覧いただきたい。(翻訳:編集部)
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