デザイン・マイアミがドバイに進出。2027年、アルサーカル・アヴェニューと共同で新フェアを開催へ

ドバイのアルサーカル・アヴェニューとデザイン・マイアミが提携を発表した。複数年のパートナーシップを通じて、ドバイ、マイアミ、パリを結ぶ国際ネットワークを構築すると同時に、2027年にデザインフェアを開催するという

アルサーカル・アヴェニュー。Photo: Courtesy of Alserkal
アルサーカル・アヴェニュー。Photo: Courtesy of Alserkal

デザイン・マイアミとドバイに拠点を置くアルサーカル・アヴェニューは12月2日、デザインアイテムのプラットフォームをドバイで立ち上げることを発表した。両者は複数年のパートナーシップを結び、フェアと通年プログラムを柱とする取り組みを2027年にローンチする予定で、デザイン・マイアミにとって初の中東進出となる。

このコラボレーションは、ドバイ、マイアミ、パリの3拠点を相互に結ぶ国際的なデザインネットワークの形成を目指している。ドバイの現代アートとクリエイティブ産業を15年にわたり支えてきたアルサーカル・アヴェニューと、著名なギャラリー、デザイナー、コレクターが集うフェアを20年にわたり開催してきたデザイン・マイアミが協力することで、中東のデザインを国際的に発信する基盤を築こうとしている。アルサーカル・アヴェニューのエグゼクティブ・ディレクターを務めるヴィルマ・ユルクテは、US版ARTnewsの取材に対してこう語る。

「デザインは長い間、私たちのエコシステムの一部でした。このパートナーシップは、中東で台頭するデザインの才能を国際的に発信するにあたって、まさに適切なタイミングで実現しました。マイアミ、パリ、ドバイを結びつける複数年のパートナーシップは、デザイン界にとって極めて重要な出来事だと言えるでしょう。このプラットフォームにより、相互のコミットメントと共有された価値観に根差したデザインの発信拠点を形づくりながら、中東と世界各地で発信されている新たな声をつなぐことができます」

この提携は、中東地域における主要なクリエイティブ拠点としてドバイの存在感が高まるなかで実現した。同市は今年、ユネスコ創造都市ネットワーク(UCCN)のデザイン分野に加盟し、アルサーカル・アヴェニューによれば、デザイン関連の活動は現在、同市の文化GDPの52%を占めているという。ユルクテは、こうした動向が今回のパートナーシップを進めるうえで重要な指標となり、実施のタイミングを明確にしたと述べている。

「中東地域において現代アートシーンを牽引するUAEは、国際的なプラットフォームを展開できる準備が整っています。この取り組みがドバイに根付くことで、同市の国際的な文化交流における役割が拡大し、急成長を続けるデザインアイテムの国際市場において、中東地域の存在感が一層高まるでしょう」

デザイン・マイアミのCEOジェン・ロバーツは、アルサーカル・アヴェニューと手を組むことでデザインを共通言語として活用する機会になると語る。一方で会長のジェシー・リーは、デザイン市場を築いてきたデザイン・マイアミの知見と、ドバイの文化的発展を支えてきたアルサーカル・アヴェニューの強みが結びつく点を強調した。

プログラムとキュレーションに関する詳しい情報は、数カ月以内に発表される予定だ。(翻訳:編集部)

from ARTnews

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