「未知」のミケランジェロ素描がオークション最高額更新。45分に及ぶ歴史的競り合いの末、42億円で落札

昨年、本物のミケランジェロ作品と認定された素描が、2月5日にクリスティーズ・ニューヨークで開催されたオークション「Old Master and British Drawings」に出品され、45分間に及ぶ激しい入札の末、予想落札価格の約14倍にあたる2720万ドル(約42億2000万円)で落札された。これは、ミケランジェロの素描作品としてオークション史上最高額となる。

約42億2000万円で落札されたミケランジェロの素描。Photo: Courtesy Christie's

昨年、本物のミケランジェロ作品と認定された素描が、2月5日、クリスティーズ・ニューヨークで開催されたオークション「Old Master and British Drawings」に出品された。

事の発端は昨年3月のことだった。匿名を希望するアメリカ西海岸在住の男性が、額装された足の素描の写真を、クリスティーズのオンラインサービス「オークション査定依頼」ポータルに送信した。この素描は長年にわたり祖母の家の壁に掛けられており、額の裏側はガムテープで封がされ、祖母の筆跡で「ミケランジェロ」と記されていたという。しかし持ち主は、そうした書き込みにもかかわらず、これまでずっと複製画だと思い込んでいた。

この作品を最初に確認したのは、クリスティーズのオールド・マスター素描専門家、ジアーダ・ダーメンだ。彼女は一目で「非常に質の高い作品」だと判断し、赤外線反射撮影による調査を実施。肉眼では確認できない下描きや制作上の特徴を明らかにした。さらに、メトロポリタン美術館ウフィツィ美術館の所蔵品を中心に、ミケランジェロによる真正な素描との比較研究を行った結果、メトロポリタン美術館所蔵作品の中に、この素描と極めて近い一致を示す一点が見つかった。

ダーメンによれば、この赤チョークによる素描は、バチカン市国のシスティーナ礼拝堂天井画に描かれた人物「リビアの巫女(リビアのシビュラ)」のために、1511〜12年頃に制作された習作で、これまで確認されてこなかったものだという。現存するミケランジェロの素描は約600点とされており、本作は新たにその数に加わることとなった。

この素描は2月5日のオークションに出品され、約45分間に及ぶ激しい入札の末、予想落札価格150万〜200万ドル(約2億3400万〜3億1200万円)の約14倍にあたる2720万ドル(約42億2000万円)で落札された。これはミケランジェロの素描作品として、オークション史上最高額となる。

落札者は明らかにされていない。顧客を代理して最終入札を行ったクリスティーズのオールド・マスター部門グローバル責任者、アンドリュー・フレッチャーは声明で、「私は23年以上この業界に携わり、多くの素晴らしいオールド・マスターの瞬間に立ち会ってきましたが、今日の出来事はその全てを凌ぐものでした」と振り返っている。(翻訳:編集部)

from ARTnews

あわせて読みたい