今週末に見たいアートイベントTOP5:多声的な世界に光を当てる恵比寿映像祭、金氏徹平が代表シリーズを再構築
関東地方の美術館・ギャラリーを中心に、現在開催されている展覧会の中でも特におすすめの展示をピックアップ! アートな週末を楽しもう!

1. 性別越境の歴史学(國學院大學博物館)
越境する装いが照らす、日本の性の多様性
「性」を生物学的な男女二元論に限定せず、文化的・歴史的な営みとして捉え直す展覧会。祭祀や芸能の世界において重要な意味を担ってきた異性装や性別越境の実践に焦点を当て、日本文化における性の多様性を検証する。
本展では、明治時代の法律に関する資料などから「あいまいな性」を許容しなくなった近代以降の価値観を問い直しつつ、考古資料や古典籍を通して人々が性別の境界を越えることで獲得してきた象徴的・霊的な力、また中世・近世の性別越境者たちを読み解く。
性別越境の歴史学
会期:2025年12月6日(金)〜2026年2月23日(月祝)
場所:國學院大學博物館(東京都渋谷区東4-10-28)
時間:10:00〜18:00
休館日:月曜日(祝日を除く)
2. 金氏徹平とthe constructions「tower (UNIVERSITY)」(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA)
大学という現場で進行する「tower」
美術家・彫刻家の金氏徹平が、京都市立芸術大学の新キャンパスを舞台に代表作シリーズ「tower」を再構築する。1978年生まれの金氏は、身の回りの事物を素材に、切り抜きや接続を通して既存の文脈を読み替えるコラージュ的手法で知られる。
「tower」は、大小さまざまな孔を持つ抽象的な構造体と、そこを行き交うモノや行為を同時並行的に描き出すシリーズで、ドローイングに始まり、コラージュ、映像、舞台作品へと20年以上にわたり展開されてきた。本展では、同作に加えて荒木優光、小松千倫、contact Gonzo、dot architectsといったアーティストや建築家、学生らのコラボレーター「the constructions」との協働が加わり、多層的で未完の「展覧会」が立ち上がる。
金氏徹平とthe constructions「tower(UNIVERSITY)」
会期:2025年12月13日(金)〜2026年2月15日(日)
場所:京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA(京都市下京区下之町57-1 京都市立芸術大学 C棟1F)
時間:10:00〜18:00(2月7日〜2月11日の入場は17:30まで)
休館日:月曜(2月9日を除く)
3. ザック・リーバーマン「10 LIGHTS」(clinic)
コードが描く光の詩
ニューヨークを拠点に活動するアーティスト、研究者、教育者のザック・リーバーマン(Zach Lieberman)による個展。1977年ニューヨーク生まれのリーバーマンは、動きや声といった人間のジェスチャーをコードによって可視化する作品で知られ、自身が「poetic computation(詩的な計算)」と呼ぶアプローチのもと、インスタレーションやパフォーマンス、ドローイングを制作してきた。
代表作《EyeWriter》はニューヨーク近代美術館(MoMA)に収蔵され、アルス・エレクトロニカのインタラクティブ・アート部門でゴールデン・ニカを受賞するなど、国際的な評価を受けている。また、School for Poetic Computationの共同設立者として教育活動にも力を注ぎ、現在はMITメディアラボでFuture Sketchesグループを率いる。
本展では、リーバーマンがこの10年にわたり特にフォーカスしてきた「光」をテーマに、ドローイングやアニメーション作品が展開される。最新作を含む作品群を通して、計算と感覚、テクノロジーと詩性が交差する表現の現在地が提示される。
Zach Lieberman「10 LIGHTS」
会期:1月24日(金)〜2月14日(土)
場所:clinic(東京都世田谷区三軒茶屋1-33-18)
時間:土日11:00〜17:00(月~金はInstagramのDMにて事前予約制)
4. ラインハード・ポーズ「BILDER 1979–2024」(ファーガス・マカフリー東京)
ストリートの記憶を引き継ぐ、ラインハード・ポーズの絵画
ドイツ人画家ラインハード・ポーズのアジア初個展。1951年ベルリン生まれのポーズは、アルベルト・ウーレンやマーティン・キッペンベルガー、ジャン=ミシェル・バスキアらと同時代に、1970年代後半から80年代にかけてのベルリンやニューヨークで活動を開始。コンセプチュアリズムやミニマリズムの潮流から距離を取り、ストリート・アートやポップ・アート、抽象表現主義が交錯する都市文化と呼応する、直接的でラフな絵画表現を展開してきた。
本展では、1979年から2025年までの作品15点が展示される。長いあいだ公のアートシーンから離れていたポーズだが、近作にはその孤独な探究の時間が色濃く反映されている。荒削りな筆致や触覚的な即時性を引き継ぎながら、パステル調の油彩や水彩、スプレーペイントが加わり、自由で軽やかな色彩が画面に広がる。本展より1階の展示空間に加え、地下のギャラリー・スペースも新たにオープンする。
ラインハード・ポーズ「BILDER 1979–2024」
会期:1月24日(金)〜3月7日(土)
場所:ファーガス・マカフリー東京(東京都港区北青山3-5-9)
休館日:日月祝
5. 恵比寿映像祭2026「あなたの音に|日花聲音|Polyphonic Voices Bathed in Sunlight」(東京都写真美術館ほか)
多声的な世界に光を注ぐ
映像文化とアートの現在を横断的に紹介する国際フェスティバルが、2026年も東京都写真美術館および恵比寿ガーデンプレイス各所で開催される。今回の総合テーマ「あなたの音に|日花聲音|Polyphonic Voices Bathed in Sunlight」は、メインキュレーター邱于瑄(Chiu Yu-Hsuan)による台湾語を起点としたもの。
「日花聲音」という言葉が示すのは、ひとつとして同じもののない多様な声音が響く空間に、木々の間から光が差し込む情景だ。写真、映像、サウンド、パフォーマンスなど多様なメディアを通して、「声」「環境」「記憶」「誤読」をめぐる展示が展開される。不協和をはらみながらも響き合う思考や存在が交差し、互いに影響し合っていく。本展が光を当てるこのプロセスは、いまの社会にとっても重要な視座を与えてくれるかもしれない。参加アーティストは、エキソニモ、張恩滿、鶴巻育子、トモコ・ソヴァージュ、キュンチョメ、冥丁、スーザン・ヒラー、アンジェリカ・メシティら30組以上。
恵比寿映像祭2026
会期:2月6日(金)〜2月23日(月祝)※コミッション・プロジェクト(3F展示室)は3月22日(日)まで
場所:東京都写真美術館(東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内)ほか
時間:10:00〜20:00(最終日は18:00まで)
休館日:2月9日、16日




























