ミケランジェロの超希少な素描がオークションへ。一般からの問い合わせ作品を名作の下絵と認定
ミケランジェロの手によるものとされる足の素描が、2026年2月にニューヨークのクリスティーズで行われるオークションに出品されることが分かった。バチカン市国のシスティーナ礼拝堂天井画の下絵と見られ、落札価格は最高で3億円強と予想されている。

2026年2月にニューヨークで開催されるクリスティーズのオークションに、ミケランジェロ(1475–1564)作とされる高さ13.5センチの《リビアの巫女》の足の素描が出品される。赤いチョークで描かれたこの作品の予想落札価格は、150万ドルから200万ドル(約2億3400万〜3億1200万円)。
足の素描は、クリスティーズのオンライン窓口に寄せられた一般からの問い合わせの中から見つかった。同社オールドマスター分野のスペシャリスト、ジャーダ・ダーメンが目に留めたのがそのきっかけだ。問い合わせの主は書類にミケランジェロ作と記載していたが、ダーメンがニューヨーク・タイムズ紙の取材に答えたところでは、ルネサンスの巨匠作という触れ込みの問い合わせは山ほどあるという。
また、ルネサンス期の素描は署名されることが稀で、偽造品も多いことから真贋判定が難しい。それでもダーメンは、この素描が真作である可能性を考え、出所調査や支持体の科学的分析、美術館に所蔵されている既知の素描との比較を行った。その結果を受けてクリスティーズは、これをバチカン市国のシスティーナ礼拝堂にあるミケランジェロの傑作、フレスコで描かれた天井画の下絵であると認定している。
真作だとすれば、この素描は極めて希少性が高い。ミケランジェロは1508年から1512年までの4年間、システィーナ礼拝堂の天井画制作に取り組み、その過程で実際のモデルを用いた数千点もの下絵を描いたと考えられている。しかし現存するものはごくわずかで、個人所有の作品は1点──今回見つかったものを加えれば2点──だけだ。
クリスティーズのウェブサイトに掲載されている解説では、オークションへの出品が決まった素描と、ニューヨークのメトロポリタン美術館が所蔵する《リビアの巫女》の素描との類似点が指摘されている。(翻訳:石井佳子)
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