「愛国心をピクセル化」したゲーム機が出現。トランプ政権の戦争プロパガンダを批判か
トランプ大統領や政権幹部をピクセルアートで描いたアーケードゲーム風の作品が、ワシントンD.C.のナショナル・モールに設置された。作品を手掛けたのは、トランプ大統領をめぐる風刺作品でしられる匿名アーティスト集団、シークレット・ハンドシェイクだ。
イランをめぐる軍事的緊張を利用するトランプ政権の姿勢を批判するゲーム作品が、ワシントンD.C.のナショナル・モールに設置された。この作品を手がけたのは、ドナルド・トランプ大統領とジェフリー・エプスタインの像や、黄金のトイレ像を首都に設置してきた匿名のアーティスト集団「シークレット・ハンドシェイク」だ。
ワシントン戦没者記念碑に設置されたこの作品は、《Operation Epic Furious: Strait to Hell(オペレーション・エピック・フューリアス:地獄への海峡)》(2026)と題されている。アーケード筐体を模した外観には、トランプ大統領をはじめ、FBI長官のキャッシュ・パテル、国防長官のピート・ヘグセスらのピクセルアートが散りばめられている。それぞれの肖像の横には、過去のスピーチからの引用や、トランプ大統領が自身で設立したSNS「トゥルース・ソーシャル」に投稿した文面が添えられた。ゲーム機に併設されたプレートには、次のように記されている。
「トランプ政権は、戦争を正当化する最善の手段がゲーム化であることを熟知している。だからこそ、イランでの戦争を『最高にイカした』ゲーム風に見せる宣伝映像をSNSで発信してきた。しかし、映像だけでは物足りない人もいるだろう。そこで紹介したいのが、フルカラーで思う存分暴れられる《Operation Epic Furious: Strait to Hell》だ。この作品では、自由が議論されることはない。ただ実力が行使されるのみだ。事前の情報共有もなければ、ためらいもない。あるのは、ピクセル化された純粋な愛国心だけ。腰を据えて、永遠に終わらないかもしれないこのゲームを存分にプレイしていただきたい」

US版ARTnewsの取材に対し、シークレット・ハンドシェイクは作品の意図を次のように説明した。
「トランプが率いるアメリカでは、戦争は愛国的な行為にとどまらず、ゲームをプレイするような感覚で行われています。政権は、イランとの対立を煽る軍の公式映像に、派手なゲーム映像を織り込んできました。ただし、流用元の映像はイランとの戦争を題材にしたものではありません。だからこそ私たちは、イランをめぐる戦争を最高に愛国的に描いた《Operation Epic Furious: Strait to Hell》を制作しました」
この作品は、アメリカが関与した別の戦争を扱ったアート作品も想起させる。ブッシュ政権下のイラク戦争のさなか、コリー・アーケンジェルは中古のMacintosh TVからプレイ可能なゲームを見つけ出し、レディメイド作品《Bomb Iraq》(2005)として発表した。
現地で《Operation Epic Furious: Strait to Hell》をプレイできない人に向けて、シークレット・ハンドシェイクはオンライン版も公開している。その内容について、同グループは次のように説明している。
「このゲームでは、イランの女子生徒や節水型シャワーヘッド、さらにはDEIやローマ教皇といった、アメリカの自由を脅かす存在との激しいレスバが繰り広げられる。なお、プレイヤーの時間を無駄にしないために先に伝えておくと、唯一の敗北条件はメラニア夫人の手を握ろうとすること。ただし、舞台は中東なので、勝利もまた不可能だ」
(翻訳:編集部)
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