トランプとエプスタインが『タイタニック』ポーズ。ワシントンに出現したゲリラ彫像の狙いとは?

ドナルド・トランプ大統領と、少女らへの性的虐待などで起訴・勾留中に自殺したジェフリー・エプスタインをモデルにした彫像《The Secret Handshake(秘密の握手)》で知られる匿名のアーティストたちが、またもやそのゲリラ的パブリックアートアメリカの首都に出現させた。今回の彫像で2人はタイタニックポーズを取っている。

ザ・シークレット・ハンドシェイクの彫刻作品《KING OF THE WORLD(世界の王様)》がワシントンD.C.に現れた。Photo: Courtesy The Secret Handshake

3月10日、ワシントンD.C.に設置された新しい彫像の写真が、US版ARTnewsにメールで送られてきた。昨年9月に登場して話題をさらった作品と同様、トランプ大統領ジェフリー・エプスタインをモデルにしたもので、メールの送り主も同じ「シークレット・ハンドシェイク」を名乗る匿名のアーティストグループだ。

《KING OF THE WORLD(世界の王様)》と題された高さ約3.7メートルの像は、1997年の映画『タイタニック』でレオナルド・ディカプリオが腕を伸ばすケイト・ウィンスレットを後ろから支える象徴的なポーズで大統領とエプスタインを描いている。また、2人が立つ台座の銘板には、その関係性がこう記されている。

「ジャックとローズの悲劇的な恋物語には、贅沢な旅、騒々しいパーティ、そしてローズのヌードをスケッチする秘め事という要素がある。この彫像は、ドナルド・トランプとジェフリー・エプスタインの絆を称えるものであり、その友情は贅沢な旅、騒々しいパーティ、そして秘密のヌードスケッチによって築かれたものと思われる」

ワシントンD.C.のマディソン・ドライブとジェファーソン・ドライブの間にあるサードストリート・サウスウェストで、米議会議事堂と向かい合うように設置された像の両側には、トランプとエプスタインが並んで立つ写真を用いた10基ののぼり旗が立てられている。アーティストグループからのメールには、その理由がこう説明されていた。

「2026年はトランプ大統領にとって記念すべき年だからです。つまり……彼はワシントンD.C.の複数の連邦政府ビルに自分の顔の巨大横断幕を掲示しています。我われもそのミッションを支えたいと思い、自分たちが作ったものを加えてみました」

第2次トランプ政権の発足以来、エプスタイン事件の捜査に対しては、右派からも左派からも透明性を求める声が上がっていた。金融業で財を成したエプスタインは、未成年者を対象にした買春あっせんなどの罪で服役していた性犯罪者で、その交流範囲はイギリスのアンドルー元王子やクリントン元大統領夫妻など、数多くの有名人や富裕層、権力者たちに及んでいた。

捜査の透明性を求める声が高まったことで、昨年11月には議会が「エプスタイン・ファイル透明化法」を可決。以降、米司法省のファイルから数百万点におよぶ資料や関係記録が公開され、エプスタインと関係のあったさまざまな人物が厳しい状況に置かれている。この問題で辞任を余儀なくされた中には、美術界の関係者も少なくない。(翻訳:石井佳子)

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