トランプ大統領、米首都に「凱旋門」を建設へ。建国250周年に「アルク・ド・トランプ」構想を発表

ドナルド・トランプ大統領が、ワシントンD.C.のリンカーン記念館前に巨大な凱旋門を建設する計画を発表した。「アルク・ド・トランプ」と一部の間で呼ばれているこの門は、2026年の建国250周年に向けた記念建造物のひとつとなる。

資金調達の夕食会で「凱旋門」の模型を披露するトランプ大統領。Photo: Kevin Dietsch/Getty Images
資金調達の夕食会で「凱旋門」の模型を披露するトランプ大統領。Photo: Kevin Dietsch/Getty Images

ドナルド・トランプ大統領が、ワシントンD.C.に巨大な「凱旋門」を建設する計画を明らかにした。これは、ホワイトハウスのイースト・ウィングを取り壊して新設するボールルーム(大宴会場)や、2025年度の全米人文科学基金(NEH)を使用して、「アメリカの英雄たちの国立庭園」に展示する彫像制作など、一連の記念建造物計画のひとつだ。

この建設計画は、ボールルーム建設のために確保された献金2億5000万ドル(約385億円)に対する謝意を示すために、ホワイトハウスで開催された夕食会で発表された。出席者には、アマゾンやアップル、メタ、グーグル、マイクロソフト、パランティア・テクノロジーズといったテック企業の代表者、そして防衛大手のロッキード・マーティンなどが含まれていたという。

フランスのエトワール凱旋門(アルク・ド・トリオンフ)にちなんで「アルク・ド・トランプ」と一部の間で呼ばれているこの建造物は、リンカーン記念館の向かい側に建設される予定だ。戦没者慰霊施設でもあるアーリントン国立墓地からアーリントン記念橋を渡って、ワシントンD.C.に入る際の門となる場所に建てられるこの門は、南北戦争で南軍を率いたロバート・E・リーのかつての邸宅、アーリントン・ハウスからも見下ろせるという。

凱旋門はローマ人が戦争の勝利を祝うためによく用いられ、戦利品や略奪品が門のデザインに組み込まれることもあった。1806年にナポレオン皇帝の誕生日を祝うために建設が始まったパリの有名なエトワール凱旋門は、近代の凱旋門として著名な例のひとつだ。トランプ大統領は、門を作る理由をこう説明する。

「アーリントン記念橋を渡り切ると、そこには南北戦争が終わった約150年前に作られた環状交差点がある。橋の両端には柱が2本ずつ建てられ、リンカーン記念館の前にはただ交差点があるだけだ。この場所は記念建造物の建設地として理想的だと考えられていたが、南北戦争のために当時は実現しなかった。今こそ門を建てるべきだろう」

「アルク・ド・トランプ」は、アメリカ建国250周年記念と同時期に建設される。これはワシントンD.C.に彼が残す最大の建築物になるだろう。トランプは建設費や資金の提供者、そして建築するために必要な許可に関する詳細は明かしていないが、夕食会の参加者にはこう語った。

「慣れ親しんだ建築や不動産の話をすると心が落ち着く。多くの人々にとって不動産は大変なビジネスだと思うが、私にとっては得意分野だったしずっと好きだった」

(翻訳:編集部)

from ARTnews

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