フリック・コレクションとルイ・ヴィトンが3年契約──多岐にわたる支援、クルーズショー開催も
ニューヨークのフリック・コレクションがルイ・ヴィトンとの3年間のパートナーシップを発表した。展覧会支援や研究職の新設、無料開館プログラムの資金提供など、同館の活動基盤を広く支える内容となっている。
フリック・コレクションは、ルイ・ヴィトンとの3年間にわたるパートナーシップを発表した。この提携により、同ファッションハウスは同館の複数の取り組みを支援することになる。
ルイ・ヴィトンは、フリックが今後開催する3つの展覧会のリードスポンサーを務める。今秋開幕予定の「Siena: The Art of Bronze, 1450–1500」は、ルネサンス期におけるブロンズ芸術の革新の中心地としてのイタリア・シエナに焦点を当てるもの。2027年春に開幕する「Painting with Fire: Susanne de Court and the Art of Enamel」は、17世紀フランスのエナメル作家スザンヌ・ド・クールを包括的に紹介する展覧会だ。さらに、2027年後半に開幕予定の、19世紀絵画に焦点を当てた未発表の展覧会も支援対象に含まれる。
キュラトリアル支援という意味では、「Louis Vuitton Curatorial Research Associate」と名付けられた2年間の役職も新設される。この職に就くのは、現在フリックでキュラトリアル・フェローを務めるイーフー・リウ(Yifu Liu)。リリースによれば、「18世紀におけるヨーロッパと中国のあいだの文化交流および芸術実践のハイブリッド化」を研究している。リウは、フリックが所蔵するアジア陶磁に注力するほか、フランスのルイ15世およびルイ16世の宮廷、そして中国の乾隆帝の宮廷における美術とファッションについても検討する予定だ。
さらにルイ・ヴィトンは、フリックの「First Fridays」プログラム1年分の資金も提供する。同プログラムでは、毎月第1金曜日(1月と9月を除く)の午後5時30分から午後9時まで入館料が無料となる。2026年6月から2027年5月まで実施される同プログラムは、「Louis Vuitton First Fridays」として展開される。
フリックのディレクターであるアクセル・リューガーは、声明で「ルイ・ヴィトンとこのように意義深く持続的な形で連携できることを大変嬉しく思います」と述べ、こう続けた。
「同メゾンが掲げる最高水準の文化体験へのコミットメントは、私たちの理念とも合致しています。今後3年間にわたるこの支援は、当館の使命における重要な3つの領域——展覧会、パブリックプログラム、美術史研究——に不可欠な資金をもたらすものです。世界有数のファッションハウスからのこの特別な支援に深く感謝しており、改修を経て新たな章に入ったフリックの今後の重要な取り組みを実現する基盤となるでしょう」
このパートナーシップは、5月20日にフリック1階で開催される、ニコラ・ジェスキエールによるルイ・ヴィトンの2027年クルーズコレクションのショーをもって始動する。ショー実施のため、同館は来週数日間休館する予定だ。
ルイ・ヴィトンのCEOであるピエトロ・ベッカリは同じ声明で、パートナーシップ締結の喜びをこう述べた。
「フリックでの今回の支援は、ルイ・ヴィトンのアート支援への取り組みを一層強固なものとするだけでなく、このような特別な会場がいかにしてブランドのストーリーの不可欠な一部となり、コレクションごとにその物語を豊かにしていくかを示すものでもあります」
from ARTnews