オジー・オズボーン、「最後の作品」はチンパンジーとのコラボアート。チャリティーオークションで完売
ロック界の伝説、オジー・オズボーンがラスト・ライブを終えた後に遺したのは、チンパンジーとの共作による抽象画だった。制作された5点の絵画はオークションに出品され、その収益は動物保護団体へ寄付されるという。

ロックバンド・ブラック・サバスのボーカリストとして世界的に知られるオジー・オズボーンが、7月22日に死去した。76歳だった。パーキンソン病や手術の後遺症に苦しみながらも、今年7月5日にはバーミンガムで開催された「Back to the Beginning」で観客に別れを告げ、ブラック・サバスとしてのキャリアに幕を下ろしたばかりだった。なお、公演の収益はアストン・ヴィラが支援する子どもホスピスやバーミンガム小児病院に寄付される。
実はその後、彼は意外なプロジェクトを発表していた。取り組んだのは音楽ではなく、アート──しかも、チンパンジーとの「共作」による抽象絵画だ。動物実験施設、管理の悪い動物園、野生動物追跡者から類人猿を保護する活動を行う保護団体「Save the Chimps」の支援を目的にしたチャリティーオークションで、オズボーンは自身が描いたカラフルなベースコートの上に、施設で保護されたチンパンジーたちが自由に筆を走らせるというコラボレーションを実現させた。出品された5点はそれぞれオズボーンのサイン入りで、彼の楽曲のタイトルがつけられている。彼は、「絵を描くと心が落ち着く。でも、自分の作品を売ることはなかった」と回想し、これらの作品について「今回は特別だ。チンパンジーたちのためになるからね」と語っている。
オジーは、絵を描くことが長年の趣味だったという。以前、自身が公開した動画の中では「アーティストとしてのスキルはないんだ。ポートレイトみたいなものは描けない。色を混ぜるのが好きなんだ」と話していた。
「タイトルは後からつける。これまでで一番気に入っているのは『DREAMS ON TOAST』(トーストの上の夢)」
ステージを降りてもなお、表現の場を求め、動物たちの命を守るために筆を取っていたオジー。今回のチャリティオークションに出品された5作品は、総額5万4040ポンド(約1070万円)で全て落札されている。