今週末に見たいアートイベントTOP5:巨匠ルオーのアトリエを再現、ガウディの建築思想を「窓」から読み解く
関東地方の美術館・ギャラリーを中心に、現在開催されている展覧会の中でも特におすすめの展示をピックアップ! アートな週末を楽しもう!
1. 庄司朝美 + 東恩納裕一「Fort/da」(Heimlichkeit Nikai)
ホワイトキューブの外側へ
庄司朝美と東恩納裕一による2人展。庄司は身体を起点に発生するイメージを手がかりとして、カンヴァスや窓ガラスを支持体に、絵画言語を使って世界について記述する。東恩納は、日本のどの家庭にもあったインテリアに「不気味なもの」を感じ、触発された作品を制作している。
生活の痕跡や時間の層が色濃く残る会場で開催される本展は、タブロー、ドローイング、映像、照明など複数のメディアによる作品が展開されるほか、庄司による窓ガラスへのペインティングも行われ、建物そのものを巻き込んだインスタレーションとして構成。作品は建物の歴史や空気と共鳴し、鑑賞者は「展示を見る」というよりも、誰かの記憶や気配が漂う場へ入り込むような感覚を体験することになるだろう。
庄司朝美 + 東恩納裕一「Fort/da」
会期:4月3日(金)〜6月29日(月)
場所:Heimlichkeit Nikai(ハイムリッヒカイトニカイ)(東京都大田区大森北6-13-3 2F)
時間:11:00〜17:00
休館日:火~木
2. ジョルジュ・ルオー アトリエの記憶(パナソニック汐留美術館)
制作の痕跡から辿る、巨匠ルオー
同館は開館以来、20世紀フランスを代表する画家ジョルジュ・ルオー(1871-1958)作品を継続的に収集してきた。本展では、近年新たに加わった初期作品や関連資料を含め、そのコレクションを体系的に紹介する。師ギュスターヴ・モローの影響を受けた初期作から、宗教的主題へと向かう晩年の作品までを通覧することで、ルオーの制作の変遷を辿ることができる。
最大の見どころは、パリのルオー財団の協力によって実現したアトリエ空間の一部再現だ。晩年のルオーが実際に使用していた机や画材が展示され、家族ですら容易に立ち入ることができなかった制作の「聖域」が立ち上がる。完成した作品だけでなく、それが生み出された環境や身体性にまで視線を広げることで、ルオー芸術をより立体的に体感できる展示となっている。土日祝は日時指定予約制。
ジョルジュ・ルオー アトリエの記憶
会期:4月11日(土)〜6月21日(日)
場所:パナソニック汐留美術館(東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4F)
時間:10:00〜18:00(6月5日、6月19日、6月20日は20:00まで、入場は30分前まで)
休館日:水曜 (6月17日を除く)
3. 山田紗子展 parallel tunes(TOTOギャラリー・間)
「多声音楽」としての建築
1984年東京都生まれの建築家、山田紗子の初の個展。山田はランドスケープデザインを入り口に建築に興味を持ち、藤本壮介建築設計事務所を経て、東京藝術大学大学院で建築を学んだ。大学院在学時に東京都美術館主催「Arts&Life:生きるための家」展で最優秀賞を受賞。独立後は「daita2019」「miyazaki」などの住宅や「outline bar」といったアートインスタレーションで建築の領域を押し広げる作品を展開し、第3回日本建築設計学会賞大賞をはじめ数々の賞を受賞している。近年は「EXPO 2025 大阪・関西万博」での休憩施設や「やぶ市民交流広場YBパーク」など、公共空間の設計にも活躍の幅を拡げている。
本展では、TOTOギャラリー・間の空間を「環境」として捉え、自然、生物、ランドスケープなどが複雑な旋律を奏でながら共鳴する世界を表現する。山田が語る「いくつもの歌が同時に響いているような建築」とは、統制された旋律美ではなく、それぞれの要素が互いの存在を主張し、ぶつかり合い、反響し合うことで新たな音律を生み出す、ポリフォニー(多声音楽)の在り方だ。
山田紗子展 parallel tunes
会期:4月16日(木)〜7月12日(日)
場所:TOTOギャラリー・間(東京都港区南青山1-24-3 TOTO乃木坂ビル3F)
時間:11:00〜18:00
休館日:月祝
4. マーガレット・リー「All To Bits」(MISAKO & ROSEN)

断片化された感情の風景
新聞紙を素材に用いながら、幾何学的構成と奔放なジェスチャーを交錯させるマーガレット・リーの作品は、絵画とコラージュ、抽象と身体性のあいだを揺れ動く。近年は自身が拠点を置くニューヨークや、台北、ミルウォーキーなど各地で発表を続けており、断片化されたイメージを通して、不安定な感情や記憶の層を浮かび上がらせてきた。
本展で発表される新作群では、崩れかけた構造や不均衡なリズムが空間全体へと拡張される。作品は再構築された秩序を提示するのではなく、むしろ壊れ続ける状態そのものを受け入れているようだ。鮮やかなピンクや紙片の軽やかな質感は、春の終わりの桜吹雪を思わせる一方で、その背後には脆さや不安定さが潜んでいる。
マーガレット・リー「All To Bits」
会期:4月25日(土)〜5月31日(日)
場所:MISAKO & ROSEN(東京都豊島区北大塚3丁目27−6)
時間:12:00~18:00
休館日:月火
5. ガウディ:未来をひらく窓(21_21 DESIGN SIGHT)
「窓」から辿るガウディの思想
建築家アントニ・ガウディ(1852-1926)は、独自の建築思想や強い探究心、独創的な形態感覚と機構開発、芸術・技術に関する豊富な情報収集力に加え、多様な職人や協業者との連携により、固定概念にとらわれることなく多種多様な窓を設計した。窓・サッシ・ドアなどの建築用製品を作る日本の大手建材メーカー、YKK AP株式会社は長年にわたり、そんなガウディ建築と窓についての研究を行ってきた。
本展は、同社がガウディの没後100年となる2026年、世界遺産に指定されているガウディ建築、パラウ・グエル(バルセロナ)と東京で開催する、「ガウディの窓」にまつわる展覧会だ。東京展では、YKK APがこれまでに収集したガウディの窓に関する知見や研究成果をパネルや模型、ドキュメンタリー映像、書籍を通して紹介。ガウディの豊かな窓の世界を多角的に伝えながら未来の窓について考えることを促す。
ガウディ:未来をひらく窓
会期:5月16日(土)〜7月12日(日)
場所:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3(東京都港区赤坂9-7-6)
時間:10:00〜19:00
休館日:5月26日、6月23日





















