ピーター・ティール共同設立の秘密組織で会員リスト流出──大物コレクターら222人の名前が明らかに
テック右派の大物、ピーター・ティールが共同設立した招待制組織「Dialog(ダイアログ)」に関する情報がリークされた。これまで秘密のベールに包まれていた会員リストには、著名なアートコレクターやアートパトロンが含まれている。

6月16日に報じられたところによると、スイスのハクティビスト(*1)、マイア・アーソン・クライムによって、招待制の非公開組織Dialog(ダイアログ)の会員リストがリークされた。Dialogは2006年にテック右派として知られる億万長者のピーター・ティールが共同設立した組織で、流出したリストの中には数多くの大物アートコレクターやアートパトロンの名があった。
*1 「ハッカー」と「アクティビスト(活動家)」を組み合わせた造語で、政治的や社会的な主張・目的のためにハッキングを行う個人や集団のことを指す。
テクノロジー、金融、政治、エンタテインメントなど、アメリカの各分野で影響力を持つ富裕層や有力者を集めるこの組織は、毎年リトリートと呼ばれる会合を開催し、「非公開で様々な話題について議論」している。
そのため、「秘密主義的な世界経済フォーラム(ダボス会議)」とも言われるDialogだが、その存在は完全に秘匿されていたわけではない。昨年、オンラインニュースメディアのSemafor(セマフォー)は、同組織が恒久的な拠点を建設するためにワシントンD.C.近郊の土地を購入したと報じていた。
ただ、今回のリークまで、メンバーや会議の内容についてはほとんど知られていなかった。その状況が、WIRED誌とハリウッド・リポーター誌が最初に報じた情報流出で一変した。Dialogのウェブサイトのコードに埋め込まれていたディレクトリには、8月12日から16日にかけてアイルランドで開催される2026年のリトリート参加登録リストが含まれており、87人の初参加者を含む222人の氏名と会員ステータス(例:アクティブ、ゲストなど)が記載されている。WIREDは、流出した文書の信憑性を独自に検証したと述べている。
ハクティビストのクライムは、分散型SNS「Bluesky(ブルースカイ)」への投稿で会員とされる113人のリストを公開した。その中には、ニューヨーク近代美術館(MoMA)に多額の寄付者を行っている主要支援者の投資家ヘンリー・クラヴィス、父も有名コレクターだったニコラス・バーグルエン、元Google CEOのエリック・シュミットやヘッジファンドで財を成したジョン・アーノルドといったUS版ARTnews「トップ200コレクターズ」に名を連ねる人物、さらには不動産界の億万長者でコレクターのバリー・スターンリヒトも含まれている。
ハリウッド・リポーターによると、流出した情報には8月の会議で予定されているセッションの議題一覧も含まれていた。そこには、「核の復活」、「偽情報とディープフェイク」、「戦場のテクノロジー」、「監視下の民主主義」、「台湾とAI競争」、「イランに関する3つの予測」、「政党の立ち上げ」、「お金で(果たして?)幸福を買えるのか」、「あなたのセックスライフはどう?」、「指揮を執るのは楽しい」、「研究に基づく長寿の秘訣」、「カルトの構築」、「第3次世界大戦を乗り切る方法」といった項目が含まれている。
「トップ200コレクター」の1人でもあるジョン・アーノルドの広報担当者はUS版ARTnewsに対し、過去にDialogの会合に参加したことはあるものの、ここ数年は出席していないと回答した。クラヴィス、バーグルエン、シュミット、スターンリヒトの各代理人にもコメントを求めたが、記事執筆時点で回答は得られていない。(翻訳:石井佳子)
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