ダ・ヴィンチがユーロ紙幣に? 発行以来初の全面刷新、候補10案が公開

欧州中央銀行(ECB)が、2002年の発行以来初となるユーロ紙幣の全面刷新に向け、デザイン候補10案を公開した。レオナルド・ダ・ヴィンチらヨーロッパの偉人や鳥、河川を描いた案が並び、市民の意見を募っている。

ミルシニ・ヴァルドプーロウが制作したデザイン案の表面。Photo: Copyright: European Central Bank 2026

欧州中央銀行(ECB)は7月23日、新しいユーロ紙幣のデザイン候補10案を公開し、誰もが参加できるオンライン調査を開始した

ユーロ紙幣が全面的に刷新されるのは、2002年の発行開始以来初めて。5、10、20、50、100、200ユーロの全6券種で、候補には「欧州文化(European culture)」と「川と鳥(Rivers and birds)」の2テーマから、それぞれ5案が選ばれた。いずれもEU全域を対象に実施されたデザインコンペを経て選出されたもので、オンライン調査は9月21日まで受け付ける。

「欧州文化」をテーマとする案では、5ユーロ札にオペラ歌手のマリア・カラス、10ユーロ札に作曲家のルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン、20ユーロ札に科学者のマリー・キュリー、50ユーロ札にスペインの作家ミゲル・デ・セルバンテス、100ユーロ札にレオナルド・ダ・ヴィンチ、200ユーロ札にオーストリアの平和運動家・作家ベルタ・フォン・ズットナーが登場する。ある100ユーロ札案の裏面には、ダ・ヴィンチの《ウィトルウィウス的人体図》(1490頃)と街並みが描かれている。

ミルシニ・ヴァルドプーロウが制作した100ユーロのデザイン案の裏面。Photo: Copyright: European Central Bank 2026

一方、「川と鳥」をテーマとする案では、ヨーロッパの河川風景と、カワセミやシュバシコウなどの鳥を表面に配置。裏面には欧州議会や欧州委員会、ECBなど、券種ごとに異なるEU機関が描かれている。

これまでのユーロ紙幣は、特定の国や文化を想起させるモチーフを避けてきた。しかし今回の候補案では、ヨーロッパにゆかりのある人物や自然を通じて、大陸に共有される文化や価値観を表現しようとしている。

他の100ユーロデザイン案。Photo: Copyright: European Central Bank 2026
他の100ユーロデザイン案。Photo: Copyright: European Central Bank 2026
他の100ユーロデザイン案。Photo: Copyright: European Central Bank 2026
他の100ユーロデザイン案。Photo: Copyright: European Central Bank 2026
他の100ユーロデザイン案。Photo: Copyright: European Central Bank 2026
他の100ユーロデザイン案。Photo: Copyright: European Central Bank 2026
他の100ユーロデザイン案。Photo: Copyright: European Central Bank 2026
他の100ユーロデザイン案。Photo: Copyright: European Central Bank 2026
他の100ユーロデザイン案。Photo: Copyright: European Central Bank 2026

新紙幣のデザインについて、ECB総裁のクリスティーヌ・ラガルドは次のように述べている。

「ユーロ紙幣は単なる支払い手段ではありません。ヨーロッパを最も具体的なかたちで表すもののひとつです。美しさと意味を兼ね備えたデザインによって、私たちが共有するアイデンティティはさらに強まるでしょう」

最終的なデザインは、ECB政策理事会が2026年末ごろに決定する見込みだ。選定にあたっては、今回のオンライン調査と、独立系調査会社がユーロ圏市民を対象に並行して行う別の調査の結果に加え、独立審査員団の見解や技術面での評価も考慮される。

採用案は今後、さらに改良や試験を重ねたうえで製造に移されるため、新紙幣が実際に流通するまでには数年を要する見通しだ。新シリーズでは、偽造防止に向けたセキュリティー機能を強化するほか、視覚障害者が券種を識別しやすくするための改良も施される予定だ。(翻訳:編集部)

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