今週末に見たいアートイベントTOP5:ダ・ヴィンチ作品が52年ぶり来日、アン・ヴェロニカ・ヤンセンの日本初個展
関東地方の美術館・ギャラリーを中心に、現在開催されている展覧会の中でも特におすすめの展示をピックアップ! アートな週末を楽しもう!

1. CERTAINLY TOKYO(Path表参道)
「不確かさ」を探る
香港を拠点とするSerakai Studioが、開催するグループ展「CERTAINLY TOKYO」。2026年3月に香港のサロン「GOLD」で始まった展覧会「CERTAINLY」の第2章として、東京・表参道のPath Omotesandoに展開。着想源となるのは、ラ・モンテ・ヤングが1960年に発表した作品《Composition 1960 #10》。「直線を引き、それに従え」という一行の指示を起点に、制御と自由、計画と即興のあいだに生じる不確かさや予測不可能性を扱う。
参加するのは、白雙全、サウス・ホー・シウ・ナム、ラウジー、チャン・ヨンヘ重工業、サンティアゴ・シエラ、大竹伸朗、ピーター・ロビンソン、ウォン・イウ・ウォンといった国際色豊かな8組。映像、インスタレーション、パフォーマンスなど多様な手法を通して、予測や制御から逸れることを創造の契機として捉え、不確かさのなかに生まれる可能性を模索する。
CERTAINLY TOKYO
会期:7月5日(日)〜11月8日(日)
場所:Path表参道(東京都渋谷区神宮前5-6-5)
時間:15:00〜18:00
休館日:月~木
2. シルケ・オットー・ナップ(タカ・イシイギャラリー 京橋)
塗って、消して、浮かび上がる輪郭
東京では8年ぶり4度目、作家の没後初となるシルケ・オットー・ナップ(1970-2022)の個展。1970年ドイツ・オスナブリュック生まれのオットー・ナップは、カルチュラル・スタディーズを学んだ後、ロンドン芸術大学で修士号を取得。パフォーマンスや身体を主題に、水彩やガッシュをキャンバスに塗り重ね、さらに水や布、スポンジなどで絵具を取り除く手法を用いて制作してきた。
本展では、代表作《Moontrail(Trio A)》(2010)をはじめ、後期に描いた 風景画《Rainbow》(2019)や《Birds and waves》(2019)など2006年から2019年に制作された約8点を紹介する。《Moontrail(Trio A)》は、振付家イヴォンヌ・レイナーによる「Trio A」に着想を得た作品で、パフォーマンスや身体の動きと、月光を絵画へと取り入れている。後期の作品は人物像のいない風景画においても、図(ポジティブ)と地(ネガティブ)が揺らぐ手法が用いられる。塗ることと消すことを繰り返す制作過程から、人物像や風景などのモチーフの輪郭が浮かび上がる。
シルケ・オットー・ナップ
会期:8月1日(土)〜9月19日(土)
場所:タカ・イシイギャラリー 京橋(東京都中央区京橋1-7-1 TODA BUILDING 3F)
時間:11:00〜19:00
休館日:日月祝
3. Nigel Cooke: Night Ruins(Pace ギャラリー)
ヴェネチアの光から生まれた「夜」の絵画
イギリス人アーティスト、ナイジェル・クックの東京初個展。1973年マンチェスター生まれのクックは、1990年代後半から具象絵画の可能性を探り、古生物学、神経科学、古典神話、動物学などへの関心を作品に取り入れてきた。本展では、2026年春にイタリア・ヴェネチアのフォンダツィオーネ・クエリーニ・スタンパリアで行われた同館初のアーティスト・レジデンシーで制作し、第61回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の関連企画「Bad Habits」として展示された新作を中心に紹介する。
ヴェネチアで制作された作品には、潟や運河、光の環境に加え、パラッツォ(宮殿)の歴史や文化が反映されている。夜の空間や広場、船着き場を思わせる風景に、人物や動物の断片、石の台座などを組み合わせた作品を展開。ヴェネチアで発表されたシリーズの作品に加え、スペイン・フォルメンテラ島で海水を素材に制作した「Sea Mirror」シリーズも紹介する。
Nigel Cooke: Night Ruins
会期:8月28日(金)〜10月10日(土)
場所:Pace ギャラリー(東京都港区虎ノ門5-8-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザA 1F)
時間:11:00~20:00(日曜は18:00〜20:00、それ以外の曜日の19:00〜20:00はアポイントメント制)
休館日:月曜
4. ルーヴル美術館展 ルネサンス(国立新美術館)
《美しきフェロニエール》初来日。ルーブルの50点超でたどるルネサンス
ルーブル美術館のコレクションから15〜16世紀のルネサンス美術を紹介する大規模展を開催する。絵画、彫刻、版画、素描、工芸など50点余りを通して、ヨーロッパ各地で展開したルネサンス美術の諸相をたどる。なかでも注目されるのが、レオナルド・ダ・ヴィンチの《女性の肖像》、通称《美しきフェロニエール》。同作が日本で公開されるのは今回が初めてで、ルーブル美術館からレオナルド作品が来日するのは1974年の《モナ・リザ》以来となる。
展示は「旅」「技法の革新と洗練」「古代へのまなざし」「肖像芸術の隆盛」の4つのテーマで構成。レオナルドをはじめ、ボッティチェリ、ティツィアーノ、デューラー、クラーナハ、エル・グレコらの作品が並ぶ。木版画や銅版画、ブロンズ彫刻、メダル、陶器、タペストリーなど、絵画以外の多様な作品も紹介し、ルネサンス期における表現技法の広がりを示す。
ルーヴル美術館展 ルネサンス
会期:9月9日(水)〜12月13日(日)
場所:国立新美術館 企画展示室1E(東京都港区六本木7-22-2)
時間:10:00〜18:00(金・土は20:00まで、入場は30分前まで)
休館日:火曜(9月22日、11月3日、12月8日を除く)11月4日
5. 「東京、銀座5丁目4-1」アン・ヴェロニカ・ヤンセン展(銀座メゾンエルメス ル・フォーラム)
光、音、空気から立ち上がる空間
エルメス財団が、ベルギー人アーティスト、アン・ヴェロニカ・ヤンセンの日本初個展を開催する。1956年イギリス・フォークストン生まれ、ブリュッセルを拠点とするヤンセンは、1970年代後半から合板、ガラス、コンクリートなどを用いて制作。1990年代以降は、光や音、人工煙霧といった捉えにくい要素を取り入れたインスタレーションを展開してきた。彫刻、映像、写真、舞台美術など様々な領域を横断し、振付家らとの協働も行っている。
本展では、1990年代以降の作品に加え、会場の所在地「銀座5丁目4-1」をタイトルにした新作を含む10点余りを展示する。拡散する光を扱った《Rose》、青いグリッターを用いた《Untitled(blue glitter)》、熱反応フィルムを座面に用いた《Swings》、自身の声を素材とする新作《Donut》などを紹介。光や音、空気、時間といった形のない要素を用いて、見る人の身体感覚や空間の捉え方を変化させる作品が並ぶ。光や音、空気、時間を操作することで空間のあり方を揺さぶり、身体の感覚やものの見え方を不安定にするヤンセンの作品が展開される。
「東京、銀座5丁目4-1」アン・ヴェロニカ・ヤンセン展
会期:9月11日(金)〜2027年1月11日(月・祝)
場所:銀座メゾンエルメス ル・フォーラム 8・9階(東京都中央区銀座5-4-1)
時間:11:00〜19:00(入場は30分前まで)
休館日:水曜日、年末年始(エルメス銀座店の営業時間に準じる)


































