ハリット・シンギリオグル&ケマル・ハス・シンギリオグル(Halit Cingillioglu and Kemal Has Cingillioglu)

拠点:イギリス・ロンドン、モナコ
職業:銀行家
収集分野:近現代アート、印象派、戦後美術

ハリット・シンギリオグルとケマル・ハス・シンギリオグルは、トルコで最も有名な銀行家一族の出だ。1970年代初めから銀行、証券、保険といった金融ビジネスに携わってきたハリットは、トルコ有数の銀行・金融サービス企業であるCグループの創業者兼主要株主で、デミルバンクの前会長でもある。

2001年、ハリットがモネ、ルノワール、セザンヌ、ピカソの絵画9点を競売に出したとニューヨーク・タイムズ紙が報じたが、オークションハウスの幹部は出品者に関するコメントを避けた。このオークションでは、モネの《国会議事堂、日没》(1902)が、匿名の参加者2人の間で激しい競り合いになり、予想落札価格をわずかに下回る1450万ドル(約21億円)で落札されている。もう1点のモネの絵画《睡蓮》(1907)は予想落札価格を下回る710万ドル(約10億3000万円)で落札され、マネの《Brunette With Bare Breasts》(1872)は4人による熱のこもった競り合いになった。

ハリットと、やはり金融業界で働いているケマルの2人は、世界2大オークションハウスの顧問で、ハリトはサザビーズのインターナショナル・カウンシル、ケマルはクリスティーズの欧州アドバイザリー・ボードのメンバーに名を連ねている。2013年、ハリットはロンドン中心部の歴史保全地区にある1930年代のタウンハウスを取り壊し、地下にプール、スパ、ゲームルームを備えた7階建ての「アイスバーグハウス」を建設することを提案し、物議を醸したことでも知られる。


注:記事中の円換算額は、US版ARTnewsで2022年版トップ200コレクターズが発表された2022年10月時点の為替レートによる。
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