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ヤエル&ゲイリー・フェゲル(Yael and Gary Fegel)

拠点:イギリス・ロンドン、アメリカ・ニューヨーク、スイス・チューリッヒ
職業:投資家(GMFキャピタル)
収集分野:現代アート

「私が生きてきた世界では儲かるか損するかのどちらかで、その中間はない」と、ゲイリー・フェゲルは米フォーブス誌に語ったことがある。フェゲルとその妻ヤエルが、美術品収集というあまり一般的ではない趣味のコツをすぐに会得したのには、こうした経験が役立っているのかもしれない。スイスの大手資源企業、グレンコアを10年以上率いたゲイリーは2013年に同社を離れ、現在は不動産、テック系スタートアップ、医療サービス分野などに幅広く投資を行っている。フェゲルの退職は、業界から驚きを持って受け止められた。当時彼は、国際的な資源市場で最も影響力のあるポジションおり、辞職の数週間前にはその職務を続けると言明していたからだ。

グレンコアのシニアパートナーに就任する以前、ゲイリーはチューリッヒ、ロンドン、ニューヨークにあるUBSやクレディ・スイスのオフィスで、デリバティブ部門のトレーダーとして働いていた。そうしたこともあり、フェゲル夫妻は今もこの3都市を回りながら暮らしている。フォーブス誌によると、ニューヨークを拠点とするゲイリーの投資会社GMFキャピタルは、およそ2万戸のアパートメントと100以上の医療施設を保有し、その推定純資産は2024年10月時点で17億ドル(約2480億円)に達する(推定純資産は日々更新される)。美術品収集については、現代アートの超一流作家をコレクションしていると言われるが、詳細は明らかにされておらず、オークションでの活動も公になることはない。

注:記事中の円換算額は、US版ARTnewsで2024年版トップ200コレクターズが発表された2024年10月時点の為替レートによる。

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