クリスティン&アンドリュー・ホール(Christine and Andrew Hall)

拠点:アメリカ・フロリダ州パームビーチ
職業:フィランソロピスト
収集分野:現代アート

クリスティン・ホールとアンドリュー・ホールは、所有する戦後美術と現代アート作品を一般公開するため、2007年にホール・アート財団を設立。アメリカ・バーモント州の元酪農場にある展示用スペースのほか、マサチューセッツ州ノースアダムズのマサチューセッツ現代美術館、イギリス・オックスフォードのアシュモレアン博物館とのパートナーシップを結んでいる。また、ドイツのベルンブルクにも古い城を利用した支部がある。

5000点を超えるホール夫妻のコレクションの中心は、リチャード・アーシュワーガー、ゲオルク・バゼリッツ、ヨーゼフ・ボイス、オラファー・エリアソン、エリック・フィシュル、A・R・ペンク、ジュリアン・シュナーベル、エド・ルシェ、アンディ・ウォーホル、フランツ・ヴェストなどの作品だ。2005年には、ドイツの画家ゲオルク・バゼリッツが同時代の画家たちから譲り受け、長年所有していた約120点の作品を購入。その1年後、バゼリッツが30年間暮らし、作品を制作していた1000年の歴史があるベルンブルク城を購入している。

ところが、城の改装中にドイツの連邦議会と連邦参議院が、EU域外では50年以上前の作品で15万ユーロ(約2150万円)以上、EU域内では75年以上前の作品で30万ユーロ(約4300万円)以上の作品の輸出を禁止する法律を可決。このままではヨーロッパ以外の場所で展示ができなくなると、夫妻は急いでドイツから作品を運び出した。おかげで現在も、アメリカとヨーロッパを巡回しての展示を見ることができる。


注:記事中の円換算額は、US版ARTnewsで2022年版トップ200コレクターズが発表された2022年10月時点の為替レートによる。
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