ベゾス妻ローレン・サンチェス、匿名日本人にオリジナル・バーキン競り負ける。落札価格は14億円超

パリのサザビーズに出品されたエルメスの伝説的バッグ「オリジナル・バーキン」が、史上最高額となる約14億円で匿名の日本人コレクターに落札された。次点入札者には、ジェフ・ベゾスと結婚したばかりのローレン・サンチェスが名を連ねていた。

オリジナル・バーキンのオークション風景
パリのサザビーズで開催された、オリジナル・バーキンのオークションの様子。手数料込みの落札価格は860万ユーロ(約14億7000万円)で競売にかけられた際の様子。写真はオークショニアのオレリー・ヴァンドヴォルド。(撮影:ジュリアン・ヘキミアン/Getty Images)

ヴェネツィアで盛大な結婚式を挙げたばかりのアマゾン創業者でアートコレクターのジェフ・ベゾスの妻、ローレン・サンチェスが、パリのサザビーズで7月4日に開催されたオークションで、エルメスの「オリジナル・バーキン」の競売に参加し、次点で終わっていたことがわかった。

イギリス出身の俳優・歌手のジェーン・バーキンのためにデザインされたこのバッグは、ハンドバッグとしては史上最高額となる860万ユーロ(手数料込み、最新の為替で約14億7000万円)を記録。サザビーズは買い手の詳細を公表していないが、取引に詳しい関係者がUS版ARTnewsに語ったところによると、サンチェスはアンダービッダー(次点入札者)だったという。

当日のライブ配信では、開始価格100万ユーロを超えた時点から、9人の入札者による約10分間の激しい競り合いが展開され、そのたびに会場からは驚きの声が上がった。

オリジナル・バーキンは、単なるラグジュアリーバッグの枠を超えた「文化的アイコン」だ。象徴的な名前を冠したこの特注バッグは、フランス的エレガンスの象徴として数多くの模倣を生み、限られた者のみが手にすることができる憧れの対象となってきた。アメリカの人気ドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」でも、主要キャラクターの一人、サマンサが、バーキンを求めて奔走するエピソードが描かれている。

オリジナル・バーキンは、バーキン本人が1994年にエイズ研究支援のために売却して以降、複数の個人コレクターのもとを渡り歩いてきたが、その間も、ニューヨーク近代美術館(MoMA)やロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館などでたびたび一般公開されている。最後に競売にかけられたのは約25年前。サザビーズによれば今回の出品者は「Catherine B」と名乗る人物で、CNNの取材に対し、「自らの入札バトルを思い出し、あのバッグを勝ち取った時の言葉にできない高揚感がよみがえった」とコメントしている。

サザビーズのハンドバッグ&アクセサリー部門のグローバル統括を務めるモルガン・ハリミは今回の落札について公式声明で「ラグジュアリーファッション史における重要なマイルストーン」と述べ、こう続けた。

「伝説が持つ力とその来歴に魅了されるコレクターの情熱を示す、印象的なオークションでした。オリジナル・バーキンの売却は、ジェーン・バーキンというミューズの精神と魅力が今なお生き続けていることの証でもあります」

あわせて読みたい