マルグリット・ホフマン(Marguerite Hoffman)
拠点: アメリカ・ダラス
職業:投資家
収集分野:中国の水墨画、中世の装飾写本、欧米の戦後美術
マルグリット・ホフマンが初めて買ったアート作品は、フォートワース在住の作家、リチャード・シェイファーの絵画だった。当時30代だった彼女は、支払いを長期の分割払いにしたという。「ダラス美術館で働いていた私の給料では、そうするしかなかったのです」と、彼女はUS版ARTnewsの取材に答えている。
ホフマンは、亡き夫のロバート・ホフマン(実業家でカルト的人気を誇ったユーモア・風刺雑誌「ナショナル・ランプーン」の共同設立者)とともに、サイ・トゥオンブリー、ジャスパー・ジョーンズ、クリストファー・ウールなどの作品をはじめとした充実したコレクションを築き上げた。2005年、ホフマンはダラスの自宅にアートを飾るためのスペースを増築。その中心には、長さ約21メートル、幅約7メートル、高さ約6メートルの部屋がある。ホフマンはこう語る。「多くのアートディーラーが、昔と同じような寛大さと優しさで接してくれます。今はゼロの桁が増えましたが」
ホフマンは、やはりトップ200コレクターズのシンディ&ハワード・ラチョフスキー夫妻、そしてダラスのコレクター、ディディ・ローズとともに、戦後日本のアーティストからアメリカの現代彫刻まで、総額3億ドル(約435億円)を超える900点以上の美術品をダラス美術館に寄贈することを約束している。同美術館の長年のパトロンであり、前理事長でもあるホフマンは、2013年に1700万ドル(約25億円)を寄付してマルグリット&ロバート・ホフマン基金を設立。この基金は、同美術館のヨーロッパ美術の収蔵品拡大に活用される。
注:記事中の円換算額は、US版ARTnewsで2022年版トップ200コレクターズが発表された2022年10月時点の為替レートによる。