スーザン&ラリー・マルクス(Susan and Larry Marx)
拠点:アメリカ・コロラド州アスペン、カリフォルニア州・マリナ・デル・レイ
職業:投資家、不動産業(引退)
収集分野:現代アート、戦後美術(主に抽象表現主義)、紙を支持体とした作品

コロラド州のコレクター、スーザン&ラリー・マルクス夫妻は、1960年代にアートを集め始めた理由を「美しいものに囲まれて暮らしたかったから」とUS版ARTnewsに答えている。不動産デベロッパーを引退したラリーは、戦後美術や現代アートなどの膨大なコレクションについて、「(我われの)子どもたち全てを平等に愛している」と表現した。
マルクス夫妻は、109人にのぼるアーティストの絵画、彫刻のほか、ドローイングや版画といった紙の作品150点以上をロサンゼルスのハマー美術館に寄贈することを約束しているが、その中にはウィレム・デ・クーニング、草間彌生、アド・ラインハート、ミラ・シェンデルといった著名作家の作品が多数含まれている。2012年にハマー美術館で夫妻のコレクション展が開催されたとき、図録に収録された記事の中でラリーは、「アートは私をどこかに連れて行ってくれる」とキュレーターのダグラス・フォーグルに語っている。
コロラドのアスペン美術館では、2002年に「From Pollock to Marden: Post-War Works on Paper from the Collection of Susan and Larry Marx」が開催され、ジャクソン・ポロック、ブライス・マーデン、リチャード・ディーベンコーン、スーザン・ローゼンバーグ、フランツ・クライン、クレス・オルデンバーグ、エド・ルシェなどの作品が数十点展示された。当時アスペン美術館の暫定館長だったディーン・ソーベルは、アスペン・タイムズ紙の取材にこう答えている。「これは世界のどの美術館で開催しても恥ずかしくない展覧会です。展覧会で重要なのは、影響力のあるアーティストと優れた作品ですが、この展覧会はどちらも最高レベルだと言えます」。一方スーザンは、アスペン美術館について、「他の多くのアートコレクターと出会える素晴らしい場所」だと話している。