イアル・オファー(Eyal Ofer)

拠点:モナコ
職業:海運業、不動産業
収集分野:近現代アート、印象派・後期印象派

イアル・オファーは、一族が経営するオファー・グローバルの会長として、海運、不動産、エネルギー、テクノロジー、銀行、投資などで国際的な事業のマネジメントを行っている。その核となるのが、彼が父の故サミー・オファーとともに1970年代に設立した海運業だ。

世界最大級の海運企業となった同社は、その後事業を多角化。オファー・グローバルは傘下のグローバル・ホールディングス・グループを通じて、ニューヨークのセントラルパークウエスト15番地やパークアベニュー120番地、ロンドンのシーコンテナーズなど、その都市の象徴となるようなビルを多数所有している。オファーはさらに、1995年から在籍しているロイヤル・カリビアン・グループの取締役や、ブルームバーグ・ニューエコノミー・フォーラムの諮問委員も務めている。

慈善活動としては、イアル&マリリン・オファー・ファミリー財団を設立し、主に芸術、教育、ヘルスケア分野でのフィランソロピーを行っている。また、ニューヨーク近代美術館(MoMA)の理事および同美術館の絵画・彫刻委員会の委員を務め、MoMAのパーマネント・コレクションの獲得に関わっている。さらに、パリのジャコメッティ財団の創設メンバーでもあり、ロンドンのテート美術館と国立海洋博物館の主要な後援者でもある。テルアビブ美術館は彼の博愛主義的貢献を称え、2023年にイアル・オファー芸術館を開館する予定だ。

オファーは、自身のコレクション内容について語ることを避けているが、父の所有作品の一部を受け継いだことは周知されており、その中にはフィンセント・ファン・ゴッホやパブロ・ピカソなどの有名作品が含まれているとされる。現在も近現代アートのコレクションは増え続け、エゴン・シーレ、ジャクソン・ポロック、アグネス・マーティン、草間彌生、ブライス・マーデンなどの作品を購入しているとの情報がある。