アンドレア&ジョゼ・オリンピオ・ペレイラ(Andrea and José Olympio Pereira)

拠点:ブラジル・サンパウロ
職業:投資銀行
収集分野:近現代アート、ブラジル美術

ジョゼ・オリンピオ・ペレイラと妻のアンドレアは、世界有数のブラジル現代アートコレクションを所有している。2400点を超える所蔵作品に名を連ねるのは、イラン・ド・エスピリト・サント、ロザンジェラ・レンノ、ジャック・レイナー、ベアトリス・ミリャーゼス、ヴィック・ムニーズ、エルネスト・ネト、アドリアナ・ヴァレジャオといった著名アーティストたちだ。

所有作品のためにペレイラ夫妻は、サンパウロの自宅と都心部にあるアパートメントをプライベートギャラリーに改装した。その中で最も大切にされているのは、カルメラ・グロスのインスタレーション《Facas/Knives》だ。「フォルム、色彩、配置に隠されたメッセージなど、すべてが心に響きます」と、夫妻はUS版ARTnewsに語っている。「写真を見て気に入って購入したのですが、実際に設置されたときの衝撃は忘れられません。宝物を見つけたような気分でした!」

夫妻は1990年代に、今は亡き大物ギャラリスト、マルカントニオ・ヴィラーサのアドバイスを受けながらコレクションを始めた。ジョゼはあるインタビューでこう語っている。「その頃、ブラジルのアートシーンが発展してきていることを知りました。値段が上がる前に買い始めなければと思い、マルカントニオのところに行って『現代アートを見せてほしい』と頼んだんです」

ブラジルの大手出版社創業者の孫にあたるジョゼは、1997年から2004年までサンパウロ近代美術館の館長兼副館長を務め、2018年にはサンパウロ・ビエンナーレ財団の会長に就任した。彼とアンドレアのコレクションの特徴は、2人が挑戦を恐れないことがそこに表れている点にある。その1つが、サンパウロを拠点に活動するアーティスト、エンリケ・オリベイラの作品だ。彼は、文字通りの意味でも、比喩的な意味でも、重みのある彫刻を制作することが多い。《Xilonoma Chamusquius》(2011)を購入したペレイラ夫妻は、それが展示される環境に組み込まれなければならないことから、自宅の壁の一部を壊して作品を設置している。

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