古代遺跡から世界最古の「人間が矯正した羊の角」を発見! 現在まで続く安全対策か
古代エジプトの都市ヒエラコンポリスの葬祭複合施設から、紀元前3700年頃の去勢された大型の雄羊6頭分の骨が発見された。だがこれらの角は奇妙な形にゆがめられており、考古学者は困惑した。
エジプト北部にある古代エジプトの都市ヒエラコンポリスの葬祭複合施設で、紀元前3700年頃の去勢された大型の雄羊6頭分の骨が発見された。だがこれらの羊の角は、通常横に向けて伸びるものが上に向かって伸びており、ある個体には完全に角が取り除かれた跡があった。インディペンデントが伝えた。
この理由について、研究者は考古学科学ジャーナルに掲載された研究論文の中で、「角は(人間によって)意図的に上方に成長するように操作されており、3つのケースでは、直立した角が生じる結果となった」と説明する。
古代エジプトは農耕社会であり、牛や羊などの家畜は王朝以前の時代から長らく飼育されてきた。それらの家畜からとれる肉や乳、脂肪などは市民には欠かせない栄養源だった。それゆえ家畜同士の安全を確保し、取り扱いを容易にするために家畜の角を改造する必要があり、その習慣は現在も続いている。
今回のケースも、おそらく古代エジプトの羊飼いが、羊が故意もしくは誤って飼い主を角で突くことがないよう角を除去または矯正したと考えられる。研究者によると、今回の発見は、人間が家畜の角を矯正した世界最古の事例だという。