マーシャ&ジェフリー・ペレルマン(Marsha and Jeffrey Perelman)
拠点:アメリカ・フロリダ州パームビーチ、ペンシルベニア州ウィンウッド
職業:製造業
収集分野:現代アート、戦後美術

実業家のジェフリー・ペレルマンは、クリスティーズ・アメリカの諮問委員会メンバーのほか、フィラデルフィア小児病院やフィラデルフィアの複数の美術施設の理事を務めている。さらに、ペンシルバニア大学で学士号と経営学修士号を取得した彼は、同校の歯学部、デザイン学部、現代美術研究所に資金援助を行っている。妻のマーシャも、ペンシルバニア大学で修士号を取得した同窓生だ。
彼とマーシャ夫人の戦後美術・現代アートコレクションは、ロイ・リキテンスタインの作品が中心となっている。また、ジグマー・ポルケが1967年に制作した《Dschungel(ジャングル)》には特に思い入れがあるという。ジェフリーはUS版ARTnewsに、「以前はトゥオンブリーの大きな黒板の作品が一番のお気に入りだったのですが、今はジャングルです」と話している。「これは、私たちの新たな方向性を示すものであり、収集対象となるアーティストや作品の幅を広げるきっかけになったものでもあります」
もう1つ注目すべき作品がある。それは、1986年に制作されたエルズワース・ケリーの大型彫刻《Rocker》だ。ペレルマン夫妻は、このステンレススチール製の作品を購入したのち、庭に設置用の盛り土を造成した。夫妻はUS版ARTnewsの取材に、作品を設置したときの楽しい思い出を語っている。「設置された日、作品の両脇の大きなマグノリアの木の花が満開だったんです。施工業者がエルズワースにその写真を送ったところ、翌日、こんなに美しく設置されているのを見て感激したと電話をくれました」。ケリー本人は、数年後に作品を見に来たという。