リネア・コンラッド・ロバーツ、ジョージ・ロバーツ(Linnea Conrad Roberts and George Roberts)

拠点:アメリカ・カリフォルニア州アザートン
職業:投資会社(KKR)
収集分野:現代アート

米バロンズ誌の記事によると、ジョージ・ロバーツは友人たちから「強気なタイプで、集中力や先見性がある」と評されているという。実際、彼は米投資銀行ベアー・スターンズでの勤務を経て立ち上げたKKR(旧コールバーグ・クラビス・ロバーツ・アンド・カンパニー)を、創業パートナー兼共同CEOとして世界有数の投資会社へと育て上げた。一方、妻のリネア・コンラッド・ロバーツは、ゴールドマン・サックスの元パートナーで、2016年に女性創業者支援のために立ち上げたベンチャーキャピタル、ジンジャーブレッド・キャピタルのCEOだ。

ジョージは、従兄弟のヘンリー・クラビス、ビジネスパートナーのジェローム・コールバーグとともにKKRを1976年に設立。1988年にはRJRナビスコを買収するなど、スケールの大きな仕事をこなしてきた。以前、会社を成功に導くための資質について問われたジョージはこう答えている。「規律だ。つまり、自分が考えて設定した基準や原則に忠実であること。そして、会社はしっかり管理・運営されているか、自分が理解できる製品やサービスを提供しているか、業界動向が悪い方向に行っていないかを常に把握することが必要だ」。コールバーグ・クラビス・ロバーツは、2010年にニューヨーク証券取引所に上場した。

リネア・コンラッド・ロバーツは30年にわたって投資銀行業務に携わってきた。直近はゴールドマン・サックスで、ハイテク新興企業の育成やIPOを指揮した経験を持つ。その頃、彼女は女性の主導するプロジェクトに初めて投資を行い、ウォール街の女性たちを描いた長編映画『Equity』(2016)を製作。その経験がジンジャーブレッドの設立につながっている。彼女はジンジャーブレッドの方針について、「女性たちがもっと積極的に関与できる未開拓の大きな市場があります。より多くの女性が資金を得ることで、より多くの女性が安心して起業できるような、より広範なエコシステムを作る手助けをしたいと考えています」と説明する。

2010年の結婚以来、ロバーツ夫妻はサンフランシスコ近代美術館、サンフランシスコ美術館、サンフランシスコ交響楽団、サンフランシスコ・バレエ団など数多くの文化施設や団体の理事会で活躍している。ジョージはまた、非営利のベンチャー・フィランソロピー企業、ロバーツ・エンタープライズ・ディベロップメント・ファンド(REDF)を設立し、弱い立場にある人々に職業訓練や就業支援を行っている企業に投資をしている。なお、ジョージとリネアの2人は、2010年に米ビジネスメディアのビジネスインサイダーから「ウォール街のホットなパワーカップル」に選ばれた。

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