ルベル・ファミリー(Rubell Family)
拠点:アメリカ・マイアミ
職業:不動産・ホテル
収集分野:現代アート
ルベル夫妻は1964年に週25ドルというわずかな予算でコレクションを始め、当時無名だった新進アーティストの作品を収集していった。彼らは今でも、若いアーティストのアトリエを訪ねることを続けているが、売るために買うのではないという。以前ドン・ルベルは、「50年間の収集活動で5000点以上の作品を集めたが、売ったのは20点にも満たない」と、ニューヨーク・タイムズ紙に語っている。
夫妻の膨大な現代アートコレクションには、ジャン=ミシェル・バスキア、キース・ヘリング、ダミアン・ハースト、ジェフ・クーンズ、シンディ・シャーマン、カラ・ウォーカー、アンディ・ウォーホルなどの一流作家が名を連ねる。作品はマイアミにあるルベル・ファミリー・コレクションに収蔵されており、アート・バーゼル・マイアミ・ビーチの期間中、新しく入手した作品を展示することも多い。
2015年にサンパウロで開催された南米最大のアートフェア、SP-Arteのパネルディスカッションで、メラ・ルベルはこう語っている。「何が重要かというと、アートが私の命の糧になっていることです。アートは、夫婦の絆や家族の絆を確かなものにしてくれます。なぜなら、常に自分自身の鏡となり、未来があるという希望を与えてくれるからです」
2019年12月、ルベル夫妻はマイアミの新たなコレクションスペースとして、ルベル美術館をオープンした。「美術館と言えるものを持つ時期に来たと考えました」とメラはARTnewsに語った。「これは、現代における最も重要なアートだと私たちが信じるものを保管する場所なのです」
セルドルフ・アーキテクツが設計した約9300平方メートルの建物には、300〜400点の作品を展示するスペースがあり、収納スペースも十分に確保されている。メラは、「もともとは倉庫を探していたのですが、結果としてこの素晴らしいスペースをオープンすることになりました」と説明する。さらに2022年、夫妻はワシントンD.C.に2つ目のスペースを開設した。