ルーブル美術館にアンドリュー元王子「釈放時の写真」を無断展示。「発汗発言」をもじったキャプションも

警察署から出るアンドリュー元王子を捉えた写真が、ルーブル美術館に無断展示された。仕掛けたのは富裕層批判を掲げる活動家団体で、写真はスタッフによって約15分後に撤去された。

アンドリュー・マウントバッテン=ウィンザー元王子が勾留から解放された際の写真。Photo: Gareth Cattermole/Getty Images
アンドリュー・マウントバッテン=ウィンザー元王子が逮捕から数時間後に釈放された際の写真。Photo: Gareth Cattermole/Getty Images

2月19日朝(イギリス現地時間)に逮捕されたチャールズ国王の弟、アンドリュー・マウントバッテン=ウィンザー元王子が同日午後に釈放された直後の姿を捉えた写真が、2月22日、何者かによってルーブル美術館に無断展示された。写真は金縁の額に入れられており、発見から約15分後にスタッフによって撤去されたという。US版ARTnewsは、美術館に設置の経緯や処分、活動団体への対応について問い合わせたが、コメントは得られなかった。

写真はロイター通信のカメラマンが撮影したもので、車の後部座席にぐったりと座る元王子の姿が写っている。アート・ニュースペーパーによれば、写真を持ち込んだのは富裕層批判を掲げる活動家団体「Everyone Hates Elon」であるといい、額には「He’s Sweating Now — 2026(彼は今頃汗をかいているだろう)」とのキャプションが添えられていた。これは、元王子が過去にBBCのインタビューで「医学的理由から汗をかけない」と語った発言を皮肉ったものとみられる。

この写真は、近年の一連の出来事を背景に持つ一枚でもある。「汗」への言及は、2019年に元王子からの性的暴行を訴えた、故ヴァージニア・ジュフリー(2025年4月に自死)の証言を踏まえたものだ。ジュフリーは当時、アンドリュー王子が「大量の汗をかいていた」と述べているが、彼はこの主張を否定し、2022年には責任を認めないまま民事訴訟でジュフリーと和解している

写真が展示されたのは、元王子が「公務中の不法行為」の疑いで逮捕され、同日夜に釈放されてから数日後のことだった。捜査当局は、元王子が英貿易特使在任中に政府の機密文書をジェフリー・エプスタインに渡した疑惑があるとして、現在も調査を進めている。元王子は起訴されておらず、不正行為への関与を否定しているが、有罪となれば終身刑が科される可能性もある。

「Everyone Hates Elon」はInstagramに設置の様子を収めた動画を投稿し、「ルーブルに飾るべき作品だと言われたから、本当にそうしてやった」というキャプションとともに、「エプスタイン事件の被害者に正義を」と訴えた。

この写真は王室評論家の間でも象徴的な一枚として語られている。王室専門メディアのロイヤル・セントラルで編集長を務めるリディア・スターバックは、「劇的な失墜を刻み込んだ写真」と評し、ジャーナリストのサラ・ヒューソンもABCオーストラリアに対し、「この写真は元王子に一生付きまとうだろう」と述べた。

活動家たちは、この写真をルーブル美術館に飾ることで事件が人々の記憶に残ると主張。一方でインディペンデント紙は、この出来事が単なる一王族の失墜を超え、機能不全に陥った王室への敬意の喪失を反映していると指摘する。つまりルーブル美術館で行われた写真の展示は、単なる悪ふざけではなく世相の反映であるという見方であり、タブロイド紙を飾ったスナップ写真を超えて、説明責任を求めるシンボル、あるいは要求そのものであることを示していると言えそうだ。(翻訳:編集部)

from ARTnews

あわせて読みたい