ジェイミー&ロバート・ソロス(Jamie and Robert Soros)

拠点:アメリカ・ニューヨーク
職業:投資業
収集分野:現代アート、戦後美術、写真、彫刻

ロバートとジェイミーのソロス夫妻は、現代アートの収集とアーティストや教育機関の支援に情熱を注いでいる。ニューヨーク育ちのロバート・ソロスは、幼い頃から現代アートに親しんできた。市内のギャラリーや美術館を頻繁に訪れていた彼が、現代アーティストの作品を初めて手に入れたのは20代。以来30年、マーティン・キッペンバーガー、ジグマー・ポルケ、ローズマリー・トロッケル、ロバート・モリス、リチャード・セラといった戦後美術の有名作家をコレクションしてきた。

一方、アーティストの娘であるジェイミーは、1980年代にソーホーでアートの世界にどっぷり浸かって育ち、若い頃からコンセプチュアル・アートへの強い憧れを抱いていたという。ジェイミーとロバートは2014年に出会い、以後、ともに新進アーティストの支援に力を注いできた。最近購入した作家には、ウォルター・プライス、ティオナ・ネッキア・マクロデン、キャロル・ボヴェ、シモーヌ・リー、アニカ・イー、ジャクリーン・ハンフリーズがいる。

ソロスが最初に注目したアーティストの1人が、ロサンゼルスを拠点に活動した故マイク・ケリーだ。ケリーの作品を複数所有しているソロスは、巨大な彫刻的インスタレーションに代表されるケリー独特のコンセプチュアルで対立的な表現に惹かれるとし、「アイデアとプロセスをマニアックに追求する彼は、いつも私を刺激します」とUS版ARTnewsに語っている。

米フォーブス誌は、ロバート・ソロスの父、ハンガリー系アメリカ人の著名投資家で慈善家のジョージ・ソロスの資産を、2024年12月時点で約72億ドル(約1兆500億円)と推定している(推定資産額は日々更新される)。彼はまた、1984年以来、320億ドル(約4億7000万円)の寄付を行っている。

2018年に設立されたファミリーオフィス、ソロス・キャピタルの会長と最高投資責任者(CIO)を務めるジェイミーとロバートは、父のジョージに倣い、数多くの文化施設を支援している。ジェイミーは、ニューヨークのニュー・ミュージアム理事、ディア・アート財団の女性評議会メンバー、メトロポリタン美術館の近現代アート委員会の客員理事で、ロバートはニューヨークのブルックリン美術館、ザ・キッチン、MoMA PS1、ロサンゼルスのハマー美術館の理事を務めている。

注:記事中の円換算額は、US版ARTnewsで2024年版トップ200コレクターズが発表された2024年10月時点の為替レートによる。

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