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エレイン・ウィン(Elaine Wynn)

拠点:アメリカ・ラスヴェガス
職業:ホテル・カジノ
収集分野:近現代アート

エレイン・ウィンは、不動産業界の大物で、トップ200コレクターズの1人でもあるスティーブン・A・ウィンと1963年に結婚。離婚して復縁したのち、2010年に再び離婚している。エレインは、前夫とともにウィン・リゾーツとミラージュ・リゾーツを共同設立し、1976年から2000年までミラージュ・リゾーツを率いていた。そして2000年、彼女は7億4000万ドル(約1000億円)以上のウィン・リゾーツ株を受け取ったと報じられた。

前夫ほどアート界で目立つ存在ではなかったエレインだが、2014年にフランシス・ベーコンの三連画《Three Studies of Lucian Freud》(1969)を1億4240万ドル(約206億円)で落札し、当時の最高落札額を樹立した。彼女のコレクションにはベーコンのほか、エドゥアール・マネ、ジョアン・ミッチェル、ルシアン・フロイドなどの作品があるが、そのほとんどは夫妻が離婚した際に分割されたウィン・コレクションのものだ。

ウィンは現在、ロサンゼルス・カウンティ美術館で理事会の共同議長を務め、同美術館に建設予定のピーター・ズントー設計の建物に5000万ドル(約73億円)の寄付を行うことを2016年に発表した。また、エレイン・P・ウィン&ファミリー財団の理事のほか、これまで8年間、ネバダ大学ラスベガス校を支援するUNLV財団の理事長の座にある。さらに、教育を慈善活動の中心とする彼女は、ネバダ州教育委員会の会長を2期にわたり務めている。


注:記事中の円換算額は、US版ARTnewsで2022年版トップ200コレクターズが発表された2022年10月時点の為替レートによる。

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