“The Art Basel and UBS Global Art Market Report” (アートバーゼル・アンド・UBS・グローバル・アート・マーケット・リポート、略称「The Art Market 2022」)

アート市場の動きを分析、解説し、アート関係者必読とされる本リポート。2022年3月に発行された2022年版によると、2021年のアート市場は、新型コロナ禍で縮小した前年から一転、力強く回復した。市場全体では前年比29%増の推計651億ドルになり、2019年水準を上回った。国別で世界1位の米国はシェアを43%にまで拡大し、中華圏は20%と、英国を抜いて2位になった。対面のオークションやイベントが再開され、オークションの売上高は前年比で47%増とV字回復、推定263億ドルに達した。フェアは徐々に再開され、売り上げはコロナ前の水準には戻っていないものの、今後12カ月間に売り上げが「増加する」と予測するディーラーは3分の2に及ぶ。オンライン販売は、21年は7%増と小幅増だったが、拡大を続けている。今回、NFTについても初めて深く掘り下げた。

発行元:Art Basel | UBS(アートバーゼル、UBS)

注目すべきは富裕層の動きで、積極的に美術品と骨董品を購入していた。富裕層人口の増加が、価値の高い作品の需要を押し上げ、大手ギャラリーやディーラーの業績回復に寄与した。富裕層コレクターの74%は2021年にNFTアートを購入していた。彼らの支出額の中央値は、2019年を1とすると20年には1.75、21年には3.8にまで伸びた。富裕層コレクターの9割近くはNFTアートの購入に関心を示しており、半数は22年にアートを購入すると見込まれる。

2022年の市場展望では、ディーラー、オークションともに売り上げ増を予測している。

英文リポート


※ARTnews JAPAN編集部がリポートの一部を編集・抄訳しPDF化いたしました。ぜひ、ご活用ください。

〈PDFの抄訳対象章〉

  • 第1章「2021年の世界のアートマーケット」
  • 第3章「アートオークション」
  • 第4章「世界の富裕層とアートコレクター」

日本語抄訳

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