ARTnewsJAPAN

ギエルモ・ゴンザレス・グアハルド、ヤナ・サンチェス・オソリオ(Guillermo Gonzalez Guajardo and Jana Sanchez Osorio)

拠点:アメリカ・ロサンゼルス、メキシコ・メキシコシティ
職業:投資家
収集分野:戦後美術と現代アート(特に女性の抽象画家)

ギエルモ・ゴンザレス・グアハルドとヤナ・サンチェス・オソリオは、メキシコシティに設立したオリビア財団の所蔵品について、「色彩、物質性、形態の探求」という一貫したテーマに沿ったものであると説明している。そのコレクションの中心は、ジョアン・ミッチェル、ヘレン・フランケンサーラー、リー・クラズナー、セシリー・ブラウン、メアリー・ウェザーフォード、ルーシー・ブル、ジャデ・ファドジュティミなど、世代を超えた女性アーティストたちの抽象画だ。

また、繊細さを感じさせるアリス・ニールやトレーシー・エミンによる作品のほか、キャロル・ボヴェ、ロニ・ホーン、ルース・アサワ、ケリー・アカシ、シオ・クサカ、ルイーズ・ブルジョワなどが多様なメディウムを用いて制作した彫刻もあり、具象画や物悲しい風景画と抽象画が不思議なハーモニーを奏でている。

2人はUS版ARTnewsに対し、「私たちのコレクションの核になっているのは、力量のある女性の抽象画家たちです。また、上の世代のアーティストにも注目しています」と語っている。近年はさらに、ジャック・ウィッテン、クリス・オフィリ、アドルフ・ゴットリーブ、ブライス・マーデンといった男性作家にも収集対象を広げ、新しいところではウィレム・デ・クーニングの《Woman in a Rowboat》(1965)を購入したという。

2024年2月に開催されたゾナ・マコの期間中、メキシコシティのローマ地区でオリビア財団がオープンし、こうした作品が一般に公開された。オープニング展のタイトルは「Between Us」で、キュレーターは現在ロサンゼルス・カウンティ美術館で現代アートを担当するダイアナ・ナウィ。展示作家には、シャラ・ヒューズ、ハワルデナ・ピンデル、リタ・アッカーマン、ルチタ・ウルタド、草間彌生、シャーリーン・フォン・ハイルといった著名アーティストが名を連ねている。

「一般の人々とアート作品を共有しようと考えたことで、コレクションへの取り組み方が変化しました。自分たちの家という閉じた空間を越えた発想ができるようになったのです。こうしたパブリックスペースを作ることで、生き方も変わります」と2人は言う。

オリビア財団ではまた、アーティスト・スポットライトと名付けられた展示も行われている。これは若手アーティストの新作を紹介するもので、これまでにソフィア・ロエブとヴィオレタ・マヤが個展を行った。メキシコのアートシーンの展望を2人はこう語る。

「メキシコシティは、若いクリエイターたちにとって大きな可能性のある場所です。現代アートの主要なハブになりつつあるこの街は、変革の時期を迎えています。私たちは、メキシコシティが発信するものを、より多くの人々に発見してほしいのです。財団の開設を通して、この街の豊かな文化的歴史をさらに発展させることができると考えています」

あわせて読みたい