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韓国政府が美術館を結婚式場に開放! 背景には深刻な「若者の結婚離れ」

3月13日、韓国政府は国内にある数十の国公立美術館・博物館を結婚式場として開放することを発表した。近年韓国の若者に広がる結婚離れに歯止めをかけるための施策だという。

結婚式場として利用出来るようになる韓国・ソウルの国立中央博物館。Photo: Wikimedia Commons

3月13日、崔相穆(チェ・サンモク)副首相兼経済財政相は、ソウルで開かれた経済関係閣僚会議の席上で、「政府や公的機関が運営する博物館、美術館、その他の人気のある展示場を結婚式場として開放する」と発表した。

対象となるのは、ソウル中心部にある国立中央博物館や、南部の果川市にある国立近現代美術館、国立民俗博物館をはじめとする「有名な国公立美術・博物館」数十館だ。

この施策の背景には、韓国国内の深刻な結婚離れがある。韓国では、生活費の上昇、低賃金、その他の個人的な財政に影響を与える要因を理由に、2013年から2023年間の婚姻数が40%も減少した。 韓国統計庁の調査によると、20代と30代の回答者が結婚しない理由の上位に挙げたのは、結婚費用が高額なことによる資金不足だった。ロイターの報道によれば、韓国は現在、出生率も世界最低で、2023年には前年の0.78から0.72に低下している。

国内ではすでに120以上の公共施設が手ごろな価格の結婚式場として提供されているが、コリア・タイムズ紙によると、「ロマンチックさやエモーショナル感はほとんどない」として多くのカップルが敬遠しているという。

今回の施策について財務省の関係者は、「民間の結婚式場とは異なり、屋外に式場を設けるなど、若者が場所をカスタマイズできることに重点を置く」と語っている。費用や予約など、会場の使用に関する詳細は上半期中に決定し、年明けには専用ウェブサイトが開設されるという。(翻訳:編集部)

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